【目黒区】会社員からソーシャルネットワークアーティストへ・松岡智子さんの個展「Tomoko Matsuoka 2021 Paris 」が12/8(水)から区民ギャラリーで開催
32歳の時、普通の会社員から芸術家へ転身した松岡智子さん。今回、フランスで行われたアートフェア「サロン・アート・ショッピング・パリ(Salon Art Shopping Paris)」に招聘され、滞在中に完成させたアート作品を目黒区美術館 区民ギャラリーで展示することが決まりました。
【目黒区】目黒区美術館 区民ギャラリーで開催された「Tomoko Matsuoka 2021 Paris 」へ、松岡智子さんの熱量に触れてきました
ルーブル美術館で行われるこのアートイベントに出展するために立ち上げた、キャンプファイヤーのクラウドファンディング。わずか3日で目標を達成し、1か月間という短期間で、172名から目標の252%・300万円を超える支援額を獲得しました。
今回の個展は、クラウドファンディングで支援してくださった方々へのお披露目を含め、より多くの方々に松岡智子さんの作品に触れるチャンスとなっています。
松岡智子さんが絵を描くきっかけとなったライブペインティング
松岡さんが初めて絵を描いたのは幼稚園の頃。自由な色で好きな生き物を描くのが大好きでした。
しかし、集中すると周りが見えなくなる、逆に注意散漫になるという悩みを抱えていたそうです。「芸術で生きていくことは難しい」と思っていたため、2019年頃までは芸術への関心を一切封印して生きてきたといいます。
松岡さんがもう一度アートの世界へ足を踏み入れるきっかけとなったのが、知り合いの方からスポーツ選手の方を表現する絵を描いて欲しいという依頼。2020年に1,000人規模のイベントで、初のライブペインティングデビューを飾りました。
その後、続々とライブペインティングへの依頼が舞い込むようになります。虎ノ門ヒルズや作家の養老孟司さんが所有されている「養老の森」、富士山、目黒区にある林試の森でも行われました。
大都会や大自然などさまざまな環境の中でライブペインティングを実施。松岡さんご自身、魂が揺さぶられるような感動を感じることができ、また、芸術が持つ力で人と繋がる歓びも体感することができたといいます。
しかし、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、大勢の方の前でパフォーマンスを行うことが難しい状況になってしまったそうです。
コロナ禍でも松岡智子さんが諦めなかった“表現する”ということ
コロナ禍でイベントが次々と中止される中、松岡さんはどんな方法なら芸術活動を続けられるのか試行錯誤する日々。そんな時、松岡さんに転機が訪れます。
友人から、松岡さんが過去に描いた作品をZOOMの背景として使い、とても好評だという連絡がありました。さらに、自分用の誕生日プレゼントとして、絵画をリクエストしてくれたとのこと。
コロナ禍でテレワークを行う企業が増え、ZOOMなどを使ったオンライン会議などの機会が増加しました。PCのカメラを通じて、普段の生活空間が背景として映し出されてしまうことに困っていた方も多いのでは?
松岡さんは、ZOOM越しに相手と「会話しながらその人を抽象画にするプロジェクトZOOM背景画プロジェクト」をスタート。この取り組みは「オンライン会議の急速な拡大での新たなアート表現」として大変注目され、約100名の方の背景を書くことになったそうです。
フランスの代表的アートフェア「サロン・アート・ショッピング・パリ」への招聘
「オンライン通話を通した個人の抽象画化」プロジェクトはテレビや新聞などにも大々的に取り上げられ、SNSでも発信されました。そんな中、ルーブル美術館で開催されるフランスのアートフェア「サロン・アート・ショッピング・パリ」に招聘されたのです。
アーティストとしての活動わずか半年で声をかけてもらえたのは、非常に嬉しい反面、高額の出展費用に悩みました。渡航費や滞在費、現地での活動費も考えると、120万円を超える資金が必要だったのです。
しかし、今回松岡さんが出展することで、周りの方に勇気や感動を与えることになると奮い立ち、クラウドファンディングで支援を募ることを決心。結果、目標額を達成することが出来て、無事出展することができたというわけです。
エッフェル塔やシャンポール城などでライブペイントを4度決行!ライブ配信で日本へも
「サロン・アート・ショッピング・パリ」開始に先立ち、松岡さんはエッフェル塔やシャンボール城、サン=ルイ橋など、フランスを代表する美しい景色の中で作品の制作に臨みました。
松岡さんの他にピアニスト・近谷直之さんやカメラマン・中島水美さんも同行。制作時はピアノのライブ演奏が行われ、その模様はすべて日本へもライブ配信されました。
松岡さん1人だけではなく、その場にいない人もすべて巻き込み、作品を制作していくことを信条とする “ソーシャルネットワークアーティスト” としての想いを表現する、彼女ならではのアートスタイルです。
大きなアクションで絵を描き、猛烈なスピードでアートが仕上がっていくのが松岡さんの持ち味のひとつ。今回、エッフェル塔が見える広場でゲリラアートライブペイントを行った際は、約100名もの通行人たちが足を止めて見物したそうです。
またサン=ルイ橋では一時橋が通行止めにまでなる事態となりました。フランスでも、松岡さんのパフォーマンスは大いに人々の目を惹きつけたのです。
目黒区美術館 区民ギャラリーでの個展は、松岡さんのアートに触れる絶好のチャンス
今回、松岡さんの個展“Tomoko Matsuoka 2021 Paris 〜『Carrousel du Louvre 報告会』”が開かれるのは目黒区民美術館 区民ギャラリーです。こちらの会場は目黒区民以外の方でも利用できる展示ギャラリーで、アート展や写真展などがたびたび開催されています。
個展ではフランス滞在中のライブパフォーマンスで完成した新作4点とペイントを施したアパレル数点を展示。日本初お披露目となっています。会期中は毎日、松岡さんも在廊されるとのこと。
12月8日から11日までの4日間は毎日12時から、松岡さんのライブペインティング(30分程度)も開催されます。作品はその場で購入予約可能です。
入場は無料。松岡さんのフランスでの活動を一冊にまとめたアートブックを購入したい場合は“アートブック割引付き入場券”として購入するのがお得ですよ。
松岡さんの個展は目黒区美術館 区民ギャラリーを皮切りに、銀座や日本橋、タイでの出展などが決まっているとか。ぜひ、この機会に松岡さんの情熱的なアート作品に触れてみてはいかがでしょうか。
【開催日時】2021年12月8日(水)~12月12日(日)、10時~18時
※最終日は16時閉場、入場15時まで)
【開催場所】目黒区美術館 区民ギャラリー
【入場】無料/アートブック付入場券 2,800円
【アートブック付入場券の申込方法】公式ホームページの「チケットを申込む」より予約。定員になり次第締切となります。
★2022年に区民ギャラリーで2回目の個展が開催されました!★
【目黒区】南相馬市のライブペインティングなどで生まれた作品を展示!目黒区民美術館・区民ギャラリーで開催された「松岡智子個展」にお邪魔してきました
【松岡智子プロフィール】
1989年生。ソーシャルネットワークアーティスト 日本女子大学理学部卒業 東京大学大学院修了。
幼い頃から過集中と衝動性の二面性を持ち、目に見えるもの・見えないものを問わず、写実的または抽象的に描き出してきた。人と話すのが苦手なため、代わりに外から観察することが強烈な癖となる。
自身の原点が「観察に基づく表現」であることに改めて気付き、2020年から芸術活動を開始。
描く中で現れる偶発性を活かした抽象画と、直観的に筆を走らせて細胞や宇宙を表現する細密画を中心に、対象の”意志”を描く。