【目黒区】初夏にはホタルも飛び交う自然豊かな公園「駒場野公園」。デイキャンプ場や自然観察舎もあります
駒場野公園は京王井の頭線・駒場東大前駅から徒歩約3分のところにある緑豊かな公園です。すぐ近くには加賀百万石の当主だった旧前田家の前田利為侯爵駒場邸跡を整備した「駒場公園」もあります。

駒場公園
今回は旧東京教育大学移転跡地に整備され、現在では約13万坪の敷地を誇る駒場野公園をご紹介しましょう。
明治時代、農業の近代化を目指し、駒場農学校が開校した場所
駒場農学校は現在の東京大学教育学部、駒場公園、東京大学駒場リサーチキャンパス、駒場公園にまたがる約6万坪の敷地に1878年(明治11年)開校。
その後、拡張されて1884年(明治17年)には、16万5千坪に達するなど、農業の総合教育・研究所のような場所になりました。
東京大学の駒場キャンパス内には、農学発祥の地であることを伝える記念碑も残されています。
駒場野公園といえばやっぱり「ケルネル田んぼ」。

農学発祥の地「ケルネル田んぼ」
1881年(明治14年)に駒場農学校に招かれたドイツ人教師オスカー・ケルネルさんや群馬の農民・船津伝次平(ふなつでんじへい)さんたちは駒場の原野を開墾。日本初の水田試験地として、土壤(どじょう)や肥料の研究行ったのが「ケルネル田圃(たんぼ)」です(参照元:目黒区ホームページ)。

近代能楽研究発祥の地を記念して建てられた「水田の碑」
水田土壤(どじょう)や稲作肥料の研究に大きな業績を残した「ケルネル田圃」は、世田谷区池尻にある筑波大学付属駒場中学・高校の生徒たちの手によって、今なお受け継がれています。
同校の生徒たちは、毎年6月に田植え、10月に稲刈りをし、収穫した米は、卒業式・入学式時にお赤飯にして、生徒たちが食べているそうですよ。
駒場農学校は東京教育大学農学部となり、1978年(昭和53年)に筑波へ移転
駒場農学校はその後、東京農林学校、東京帝国大学、農科大学等を経て、東京教育大学農学部となり、1978年(昭和53年)に筑波へ移転。その跡地に整備されたのが「駒場野公園」というわけです。
なお、旧東京教育大学農学部移転跡地のうち約8.5坪(2万8千㎡)は、ケルネル田圃(たんぼ)や池・雑木林として残しつつ、テニスコートや体育館などを備えた公園へ。日本近代農学の発展に果たした役割を今に継承し、その伝統を後世へと繋いでいる場所なのです。
自然観察やボランティア活動の拠点「自然観察舎(駒場野公園)」
都内でも貴重な自然が残されている駒場野公園。園内には自然観察やボランティア活動の拠点となる「自然観察舎」があります。駒場野自然クラブは開園当時から活動している団体。
小学生以上を対象に、1年間を通して里山体験をしながら草刈り、炭焼きなども行っています。
この他、以下4つの公園活動登録団体が活動中です。
- 駒場野ホタルの会:大池とケルネル水田に昭和26年(1951年)頃までに自然発生していたヘイケボタルの自然発生の復活と定着を目的として結成された団体
- こまばリボンクラブ:公園内の環境学習施設を活用して生ごみ堆肥づくりと公園内の土壌改良育成などを行う団体
- 森のみどり人:樹木の手入れや下草刈りなどの雑木林の管理や植生調査を行う団体
- 駒場プレーパークをつくる会:こども主体の自由な外遊びのイベントを実施

きのこガーデンもあります
園内を散策すると大都会の真ん中にあるとは思えない、雑木林が豊かに広がり、多種多様な生きものとの触れ合いも楽しめます。野菜畑やきのこの栽培、炭焼き、武蔵野の野草園など、生き物の気配が濃厚。

武蔵野の野草園
目黒区内にはもう1つ、自然豊かな森が残されている「林試の森公園(品川区にまたがる約12万㎡、36.3坪)」がありますね。こちらは林業試験場として作られ、1978年(昭和53年)に筑波研究学園都市に移転した後、1989年(平成元年)に都立林試の森公園として開園しました。
テニスコートや体育館、デイキャンプ、BBQ場など自然と親しみながら楽しめる施設もあり
「駒場野公園」の中央にはデイキャンプ場、南側には駒場体育館、テニスコート、ゲートボール場などのレクリエーション施設もあります。
年末年始を除き通年利用できるデイキャンプ場ではBBQができる炉が5カ所あり、1炉につき8名まで利用可能。最大で50人までの野外炊飯が楽しめます。
体育館ではバスケットボール、バレーボール、バドミントン、卓球台、トレーニング室、ランニングコース、屋内プールもあり、個人や団体で利用可能。
また、駒場野公園拡張部にはブランコや滑り台など、小さなお子様が遊べるスペースもありますよ。
19品種の桜が植えられている「駒場野公園」
「駒場野公園」では全国の県木を植栽した北国の林、関東・関西の雑木林、南の国の林があります。1つの場所でこれだけ豊かな植栽が楽しめるのも公園の魅力の1つ。
そしてもう1つの目玉は19種類の桜の品種が1か所で楽しめることです。ソメイヨシノやコヒガン、オオシマザクラはもちろん、十月ザクラ・兼六園菊ザクラなど珍しい品種も。
秋は彼岸花や紅葉など、四季の変化を肌で感じられます。
桜のない時期もスマホで「桜の木」を撮影することで、環境保全に貢献することができます
キリンビールの「晴れ風ACTION」で“目黒川の桜”が選ばれている目黒区。「晴れ風ACTION」とは、ビール「晴れ風」の売上の一部を、桜の保全活動などに寄付する試みです。
目黒川の美しい桜を守り、後世へと繋いでいくための保全活動に活用されています。
また、キリンビールが開発した「晴れ風ACTION 桜AIカメラ」を使って桜のない時期にも撮影することで、桜の健康状態と推定樹齢を測定し、ユーザーや自治体に開示されるデータベースとなります。
「駒場野公園」「駒場公園」にもたくさんの桜の木が植えられていますので、ぜひ「晴れ風ACTION 桜AIカメラ」のアプリを使ってたくさん撮影してください。
皆さん1人ひとりの“ACTION”が目黒区の桜を守り、また春に素晴らしいお花見のひと時を楽しめることに繋がります。
公園内の桜だけではなく、街中で見かけた桜の木でもOK。豊かな自然と美しい桜のある風景が残る目黒区を未来へと繋いでいきましょう。
↓「駒場野公園」の場所はこちらになります。