【目黒区】「ホテル雅叙園東京」が10月1日(水)から休館へ。営業再開の予定などは未定となっています。

(2023年撮影)
「ホテル雅叙園東京」が2025年10月1日(水)から改修のために休館となるお知らせが2月18日(火)に発表され、大きなニュースになっています。
というのも、「ホテル雅叙園東京」で結婚式を挙げる予定だったカップルが、式場変更(キャンセル)もしくは、予定を前倒しにしてほしいというホテル側から要請があった、という戸惑いの声が挙がっているからです。
以下「ホテル雅叙園東京」の総支配人からのお知らせを引用(全文)します。
日頃よりホテル雅叙園東京をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
当ホテルは、2025年9月30日を以て建物所有者との定期建物賃貸借契約が満了となるため、2025年10月1日より一時休館とさせていただきます。
尚、今後の営業再開につきましては予定が決まり次第、ご案内させていただきます。つきましては、今後の婚礼・宴会・宿泊・レストラン・東京都指定有形文化財「百段階段」の予約はお受けいたしかねるとともに、すでにご予約をいただいているお客様につきましては、各担当者より個別にご連絡の上、誠意をもって対応させていただく所存でございます。
お客様には多大なるご迷惑とご不便をおかけいたしますこと、深くお詫び申し上げます。
何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。2025年2月18日
ホテル雅叙園東京
総支配人
「ホテル雅叙園東京」の歴史を簡単に

東京都指定有形文化財「百段階段」(2021年撮影)
「ホテル雅叙園東京」のオーナーを巡ってはさまざまないきさつがあるようです。

細川力蔵さん(2023年撮影)
元々は石川県出身の創業者・細川力蔵さんが1928年(昭和3年)に東京・芝浦にあった自宅を改築して料亭「芝浦雅叙園」を経営。その後、現在の場所に料亭「目黒雅叙園」として1931年(昭和6年)に開業したのが前身です。
現在も敷地内に残る東京都指定有形文化財「百段階段」は、目黒雅叙園時代の3号館であり、季節ごとに行われている企画展の舞台として人気のスポットとなっています。
現在の敷地は1991年11月に大々的にリニューアル。隣接する目黒川の水害対策の拡張工事と重なったことから膨大な美術品を修復して移築復元する方法が取られました。
このときに一緒に建てられたのが19階建てのオフィスビル「アルコタワー」です。

アルコタワーのある目黒川周辺の景色(2023年撮影)
しかしその後、2002年(平成14年)に経営破綻。外資の投資会社に買収され、株式会社目黒雅叙園が運営会社となり再建されました。
2004年(平成16年)からワタベウェディングの傘下に入り、2005年(平成17年)からは完全子会社となっています。
2011年にはホテルに隣接する形で16階建ての「アルコタワーアネックス」が完成。アマゾン・ジャパンなどが入居しています。
2014年に森トラストが施設のすべてを取得したのち、2015年には中国政府系のファンドであるCIC(中国投資)とアメリカ不動産ファンドのラサール インベストメント マネージメントへ売却されたそうです。

ホテルの庭園(2023年撮影)
2017年4月に創業88周年を迎え、「ホテル雅叙園東京」へと施設名を変更し、リブランドされました。
株式会社目黒雅叙園は、敷地・建物を所有するオーナーと定期建物賃貸借契約を結ぶ形で「ホテル雅叙園東京」を運営しています。その契約期間が満了を迎えるタイミングで、今回のホテル改装となったようです。
「ホテル雅叙園東京」の現オーナーはカナダの資産運用会社!?

(2021年撮影)
メディアでの報道では「結婚式場の打ち合わせや内覧などが、何のアナウンスもなくすすんでいたのに」という声がきかれていました。というのもオーナーが、カナダの資産運用会社、ブルックフィールド・アセット・マネジメントに所有権の一部を売却したのが1月頃だったとか。
そして定期建物賃貸借契約の期間満了を迎えるタイミングで、休館・改修したいという現オーナー(ブルックフィールド・アセット・マネジメント)の意向に対応すべく今回の急すぎる発表となった様子。

ホテルの客室(2023年撮影)
どのように改装されるのか、再開はいつなのかは現在のところ未定。目黒の地で紡いできた歴史や日本美のミュージアムホテルとしての価値、スモールラグジュアリーホテルとしてのホスピタリティなど、がらりと変わってしまう可能性もあります。

客室がある廊下(2023年撮影)
旧・目黒雅叙園時代から長く親しんできた地元民としては、今後の動向がとても気になるところ。注意深く見守っていきたいと思います。
↓「ホテル雅叙園東京」がある場所はこちらになります