【目黒区】学芸大学駅から徒歩約5分のところに丁寧に祀られている「こぶとり庚申」。山王権現の使者、猿(まさる)が刻まれているようです

東京都

中央町に祀られているこぶとり庚申

目黒区内に残されている馬頭観音や庚申塔など、時間のある時にちょこちょこ訪ね歩いています。今回は学芸大学駅から東急東横線の線路沿いに祐天寺方面へ向かって歩くこと約5分、左側の脇道にひっそりとたたずむ「こぶとり庚申」を訪ねました。

1690年に建立された「こぶとり庚申」

「庚申塔」は庚申信仰の結束や存在の証として建立されたもの。中国の道教が起源といわれ、日本では平安時代以降に貴族の間で流行り、その後は仏教や神道と結びつき、江戸時代には庶民の間で最も栄えたといわれています。

庚申信仰については「鉄飛坂帝釈天堂」で詳しく解説しているのでそちらをぜひ参考に…。

大岡山・鉄飛坂帝釈堂
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「こぶとり」と呼ばれる庚申塔

こぶとり庚申 学芸大学

「こぶとり」ということばを聞いて思い出すのが、日本の民話「こぶとりじいさん」のお話。

顔にこぶのあるおじいさんが、鬼の踊りに参加して踊ったところ、その楽しそうな姿を気に入った鬼が、また明日も来るようにと伝え、それまで顔のこぶを預かっておくと言って取ってくれました。

もう1人顔にこぶのある意地悪なおじいさんがその話を聞き、自分も取ってもらおうと鬼の踊りに参加したところ、へたくそ過ぎてこぶを返すといわれ、顔にもう1つ付けられて…というお話です。

「こぶとり庚申」はここだけではなく埼玉県や三重県などにもみられるそうで、こぶやいぼを直すという信仰があったとか。60日に一度の「庚申の日」に夜通し集まる庚申待ちの習俗から派生し、病気平癒の神として親しまれた名残りともいわれています。

庚申塔に刻まれている「猿(まさる)」

神猿が彫られている

庚申塔の形は「角柱型」「板碑型」「駒型」「舟型」「屋根付き型」などさまざま。塔には三し(さんし)を抑える神といわれる「青面金剛」が彫られています。

こちらの庚申塔は駒型で、中央に猿の像(日月)が彫られているところがユニーク。山王権現(日吉大社・日枝神社)の使者は猿で、「神猿(まさる)」と呼ばれ、「魔が去る」「勝る」に通じる縁起の良い存在として知られています。

山王権現は滋賀県の比叡山延暦寺の守護神である日吉大社の祭神、大山咋神(おおやまくいのかみ)のこと。天台宗の教えにおいて薬師如来の権化(化身)とされ、神仏習合の神です。

日吉大社(滋賀)の神猿

日吉大社(滋賀)の神猿

2025年の11月に滋賀県大津市にある日吉大社を訪れた際、本物のお猿さんが「神猿」として大切に飼われていました。また、赤坂にある日枝神社は狛犬ならぬ、狛猿ということで有名ですよね。

日枝神社(赤坂)の神猿

日枝神社(赤坂)の神猿

「こぶとり庚申」の像はだいぶ風化が激しく、わかりにくいですが、上写真の日枝神社・神猿の姿に似ているなと思いました。

よく手入れされ大切にされている

脇道を入った少し目立ちにくいところにありますが、とてもよく手入れされ、地元から大切に祀られていると感じます。時代と共に街の姿は変わってしまっても、古くからの信仰が残されているのを見ると、嬉しい気持ちになりますね。

こぶとり庚申
住所
東京都目黒区中央町2-38-5
最寄り駅
東急東横線 学芸大学駅

※情報は取材当時のものです。来店の際は公式情報をご確認ください。

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