【目黒区】目黒通り沿いに5月15日(水)オープンした「Grolla(グロッラ)」、北イタリアの郷土料理を気取らずカジュアルに楽しめます
目黒通り沿い、東急バス「目黒消防署」から徒歩約3分のところに北イタリアの郷土料理をアラカルトで楽しませてくれるレストラン「Grolla(グロッラ)」が、2024年5月15日(水)にオープンしました。
お隣はお花屋さんの「花すけ」で、目黒通り挟んでお向かいには「香湯ラーメンひろや」があります。
最寄り駅は学芸大学駅(徒歩約15分)と少し駅から離れたロケーションですが、下目黒や中町などの住宅街からは近いので、地元密着で普段使いしやすいレストランかもしれません。
今回、オープンに先駆けて内覧会におじゃましてきましたので、「Grolla」の魅力やお料理のおすすめポイントなどをご紹介していきましょう。
「Grolla(グロッラ)」は実力派の若きイタリアンシェフ・桐山淑雅さんが腕を振るうお店
「Grolla」をオープンさせたのは1994年生まれの桐山淑雅(きりやまとしまさ)さん。熊本県出身で、福岡の調理師専門学校卒業後、都内のイタリア料理店で腕を磨きます。
独立後はシェアキッチンのシェフ、出張料理、イタリア・ミラノの日本料理店メニュー開発など多方面で活躍。2023年6月にイタリアへ渡り、北西部のピエモンテ州や中西部のトスカーナ州に足を運び、本場の家庭料理を学んできたといいます。
地方ごとに個性あふれるイタリア料理の中でも、シェフの心を捉えたのは北イタリアの伝統的な郷土料理。ホッと心が温まるような煮込み料理などを中心に、気取らず、カジュアルに楽しめるお店を目指したいとのことでした。
「Grolla(グロッラ)」とはヴァッレ・ダオスタ州の木彫りの器のこと
店名に付けられている「Grolla(グロッラ)」とは、イタリア最北・アルプスの麓にあるヴァッレ・ダオスタ州(スイスとフランスと国境を接するところ)で作られている“木彫りの器”のこと。コーヒーを飲むために使われます。
平たい壺のような形をしており、飲み口がいくつも付けられています。通称「LA GROLLA DELL’AMICIZIA(友情の杯)」「Caffè amicizia」とも呼ばれており、友人同士で回し飲みをすることで絆を深め、友情を温めあう、という習慣です。
中身はグラッパやリキュール、スパイス(クローブ・シナモンなど)、オレンジの皮、エスプレッソなどを容器に入れ、器のふちに砂糖を乗せて火を付けます。
砂糖がカラメル化することで香りが立つこと、また蓋がしっかりと閉まるので回し飲みしやすくなるそうです。
寒さの厳しい北イタリア。リキュール入りの熱々コーヒーを食後に飲むことで、心も体も温まる地元ならではの習慣です。
ちなみに、中身が空になるまで器をテーブルに置いてはいけません。
店名として「Grolla」を選んだのは、親しい仲間や家族との絆が深まる場所でありたいとい想いを込めているそうですよ。
お料理はアラカルトで楽しめる「Grolla(グロッラ)」
「Grolla」は決められたコース料理を提供するのではなく、アラカルトで自由に食べたいものをチョイスできるレストラン。前菜やパスタ、メイン料理、デザートなどお好みのメニューを飲み物と一緒に楽しめます。
今回は「Grolla」イチオシのメニューを試食しましたので、ダイジェストでご紹介します。
マグロとビーツタルタル
イタリアのタルタルは牛の生肉がポピュラーですが、日本人の食習慣になじみのあるマグロを使用して「Grolla」流にアレンジしたものです。
真っ赤なマグロ、赤紫色のビーツ、卵黄のイエローと色彩も楽しめる一品。アンチョビと卵黄のまろやかさ、素材の味わいを包み込むようにおいしいハーモニーを奏でていました。
プンタレッラサラダ
「プンタレッラ」とはキク科キクニガナ属でチコリの仲間。カタローニャという葉野菜の若芽のことです。
イタリア・ローマを代表する野菜でほろ苦さとシャキシャキとした食感が楽しめます。和名はアスパラガスチコリというそうです。
心地よい苦味とアンチョビの組み合わせがマッチ。シャキ、パリッとした食感のおもしろさも楽しめました。
アニョロッティ インブロード
続いて試食したのが「アニョロッティ インブロード」。「アニョロッティ」とはピエモンテ州のことばで“ラビオリ”のことを意味するそうです。
お肉を詰めたアニョロッティをブロード(牛・豚・ウサギの出汁スープ)に浮かべた一品。
このブロード、お肉の奥深いうま味がたっぷりと溶け込みつつも透き通るような輝きです。アニョロッティもしっかりとお肉のうま味を閉じ込めているので、別々でもおいしく、一緒にいただくとさらに味わい深く感じました。
ぺポーゾ
「ペポーゾ」はイタリア語の「Pepe(黒胡椒)」に由来するトスカーナの郷土料理です。牛肉を一晩、たっぷりの黒胡椒でマリネ。
翌日、赤ワインでじっくりと煮込んで仕上げるそうです。合わせるワインはもちろん赤がおすすめ。
黒胡椒のピリっとした辛味と香り、噛むほどにジューシーな肉のうま味が口の中で溶けあい、濃厚な味わいが楽しめました。お肉はとても柔らかく、口の中でホロホロとほどけていく感じ。
肉にしっかりと味が入り込んでいるので、お酒のおつまみには最高ですね。
トリノ風カツレツ
イタリアでカツレツ、というとすぐに思い浮かべるのが「ミラノ風カツレツ」。牛肉を均一に薄くたたきのばし、細かくさらさらのパン粉をまぶしてバターを回しかけながら揚げるお料理です。
「トリノ風カツレツ」はピエモンテ州で食べられているもので、ご当地パンである「グリッシーニ」を衣に使用します。
グリッシーニのザクザク、カリカリした歯ごたえのある衣が新鮮!中のお肉はピンク色の揚げ加減で、とてもやわらかく、うま味がしっかり閉じ込められています。
衣にグリッシーニを使っている分、「ミラノ風カツレツ」よりも食べ応えがあってボリューミーです。
「Grolla」のメニューはできるだけシンプルなもの、北イタリアの伝統的な家庭料理をベースに日本の食材も意識して取り入れたいとのことでした。
「Grolla(グロッラ)」ではワインだけではなくサワーやノンアルコールも提供
「Grolla」ではお料理に合わせたワイン(スパークリング・赤・白)などを提供。また、瓶ビールではイタリアNo.1クラフトビール・バラデンのイザック、ローマ生まれの「ペローニ」、サッポロの「赤星」もラインナップしています。
イタリアで飲まれる食前酒「アペロール スプリッツ」、レモンサワー、ハイボール「イチローズモルト」も。お酒が苦手な方にはノンアルコールドリンクも充実していますのでぜひ!
そして食後はやっぱり「グロッラ」ですね。
スパイスやアルコールはそれほど強くなく、エスプレッソコーヒーの香りとリキュール類がほどよくマッチ。甘くなくて飲みやすかったです。
1階はカウンター席、2階・3階はテーブル席、フロアで貸切もOK
「Grolla」が入っている建物は3階建て。1階はライブ感のあるカウンター席です。4席しかないので早い者勝ち。
そして2階がテーブル席で、インテリア(テーブルと椅子)はもともとあったものを活用し、アンティークな雰囲気に仕上げています。
3階にもテーブル席あり。
アンティークな落ち着いたインテリアに合わせて、リチャードジノリの器やカトラリーを使用し、雰囲気たっぷりの演出となっています。
お料理と器、カトラリーとのコラボレーションも素敵でした。
フロアごとの貸切も可能とのこと。女子会やお誕生日など特別な記念日にみんなで訪れたい場合はぜひ相談してみてはいかがでしょうか。
■取材協力
Grolla
↓「Grolla(グロッラ)」の場所はこちらになります。