【目黒区】東のボルゾイのミュージカル「ソフトパワー」を観劇してきました。最後の伏線回収に深いため息

中目黒キンケロ・シアター

中目黒キンケロ・シアター

2024年9月11日(水)~15日(日)まで「中目黒キンケロ・シアター」で上映された東のボルゾイ「ソフトパワー」を観劇してきました。

【目黒区】東のボルゾイの新作「ソフトパワー」、恋とハイで前後不覚のお祭りミュージカルが中目黒キンケロ・シアターで9月11日(水)から始まります

2023年に「ウッディシアター中目黒」で公演された音楽介在会話劇「イエスと言え」に続いて2回目の観劇です。

【目黒区】ウッディシアター中目黒で上映された音楽介在会話劇「イエスと言え」を観劇、演者の息遣いさえも感じる迫力の舞台を楽しみました

今回、あらすじをご紹介してしまうとネタバレになってしまう部分も多く、内容について詳しくご紹介することはできませんが、お伝えできる範囲でご紹介したいと思います。

“嘘”の中に“誠”があると信じ、展開されるミュージカル「ソフトパワー」

ソフトパワーとはどんなもの?

ミュージカルのタイトルとなっている「ソフトパワー」とは、相手国を軍事力で脅す、プロパガンダ(特定の思想で個人や集団に影響を与え、その行動を意図した方向へ仕向けようとする宣伝活動)で騙すのではなく、自国の価値観・文化で魅了し、味方につける力のことをいうそうです(引用元:東のボルゾイ「ソフトパワー」パンフレットより)。

ソフトパワーのパンフレット

日本の伝統芸能である「歌舞伎」は、日本人の豊かな価値観が演劇として色濃く表れた「ソフトパワー」の一つ。テレビドラマの自然な表現に比べると、衣装もセリフも大げさで「作り物=嘘」っぽさが「歌舞伎らしさ」でもあります。

今回の「ソフトパワー」では「歌舞伎」の表現でもある“嘘”っぽさの中でしか伝えられない“誠”があると信じ、東のボルゾイが現代風に“歌舞いた”お芝居が展開される作品となっています。

ちなみに“歌舞く”とは以下のような意味があるそうです。

大正時代の流行語で、奇抜な身なりをすることを「かぶく」といい、そのような装束や髪型の「かぶき者」の扮装で踊った阿国の踊りが歌舞伎の祖といわれています。
江戸時代にそのときどきの流行、芸能を積極的に取り入れつつ発展し、舞踊・音楽・セリフ劇などの各要素を備えた「総合芸術」として様式が確立され、現在に受け継がれています。

引用元:芸団協「花伝舎」ホームページより

「ソフトパワー」は柔姫と誠の間で繰り広げられる恋愛模様を軸に展開するストーリー

ソフトパワーのチケット

ミュージカルと聞くと、お芝居の途中で突然歌ったり、踊りだしたりする、というイメージがあります。今回の「ソフトパワー」では「人物の感情が頂点に達した時に歌う」というセオリー以外で、どうやって独自性を持たせるかに挑戦。

主人公は恋人同士である柔姫と誠の2人なのですが、本人の心情を本人が歌わず、歌舞伎の義太夫的な役割を「雷電(誠の友人)」が担い、「坊たち(三男坊・甘えん坊・でくの坊)」が演奏を表現。演劇的な“嘘”を多用することで、複合的に場面を魅せる仕組みを取り入れていました。

中目黒キンケロ・シアターの内部

オープニングからかなりド派手に「歌舞き」、心情を描くシーンでは繊細な表現をしつつも、大げさにダイナミックに魂を揺さぶります。あらゆる伏線が回収されるエンディングでは、思わず涙ぐんでしまいました。

ピアノやパーカッションの生演奏とともに歌、ダンス、お芝居がドラマティックに、有機的に溶け合うのが東のボルゾイの真骨頂。

現代的な問題や苦悩を盛り込みつつも、決して上っ面だけの表現に留まらず、これでもかと心をえぐってくる作品。次回作も楽しみにしています。

皆さんもぜひ機会がありましたら、東のボルゾイの公演へ足をお運びくださいね。

■取材協力

東のボルゾイ

↓「ソフトパワー」の公演が行われる「中目黒キンケロ・シアター」の場所はこちらになります。

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