【目黒区】「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」を大特集!3回目はロースター(焙煎士)・寺崎浩一さんインタビュー
中目黒と池尻大橋のちょうど中間ぐらいにある「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」。目の前を目黒川が流れ、春は満開の桜を楽しむことができると大人気のスポットです。
今回はスターバックス コーヒー ジャパンの協力を得て、「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」を徹底取材。1回目はお店の世界観や特別な演出、見どころを、2回目は各フロアの紹介とビバレッジ体験をダイジェストにご紹介しました。
3回目の最終回は焙煎士として「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」で活躍する寺崎浩一さんにインタビュー。
コーヒーの魅力と「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」の楽しみ方、自宅で気軽にスペシャルティコーヒーを味わうコツについて教えていただきました。
まずは寺崎浩一さんのキャリアについてご紹介!
寺崎浩一さんは第12代「コーヒーアンバサダー」に就任。さらに、一般社団法人日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)の認定資格CQI認定Qグレーダーを取得し、コーヒーの魅力を伝える伝道師、焙煎士として活躍されています。
「コーヒーアンバサダー」とは、スターバックス コーヒー ジャパンが開催しているコーヒーの知識・情熱を競う社内競技会「コーヒーアンバサダーカップ」で優勝し、全国のバリスタの頂点を極めた方をいいます。
スターバックスのバリスタは通常グリーンのエプロンを付けていますが、その上に“ブラックエプロン”と呼ばれるバリスタがいます。
「コーヒー アンバサダーカップ」は、ブラックエプロンを着けたバリスタの中のNo.1を決める競技会となっています。
コーヒーアンバサダーの任期を終えた今も寺崎さんファンが大勢いらっしゃるとか。「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」で焙煎を行っているときに、直接ご本人にお会いし、取材できたのは、大変ラッキーでした。
「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」で焙煎されている“TOKYO ロースト”
日本全国のスターバックス店舗で唯一、焙煎所を併設した「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」。“TOKYO ロースト”は、なめらかで深みのあるスマトラ産のコーヒーに、ラテンアメリカ産コーヒーをブレンドした日本限定のコーヒーです。
『TOKYO ローストは1日2~2.5トン焙煎し、全国47都道府県のスターバックスへと送り出しています』と寺崎さん。
ほどよい酸味と深いコクが特徴のこちらのコーヒーは、通常のスターバックスでも購入できるので見かけた方も多いのでは?
焙煎しているところを間近で見ることができるのは「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」だけ
「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」にある大型コーヒーロースターは、最大で118㎏の焙煎が可能なものと最大16㎏の焙煎が可能なものの2台あります。オープンスペースで実際に焙煎機を動かしているところを見学できるのは、日本国内のスターバックスの中で、中目黒「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」だけだそうです。
機械でコントロールされているとはいえ、最終的には焙煎士の経験・技術・五感をフルに使い、ベストな焙煎状態を見極めなければなりません。
コーヒー豆の焙煎度合は大きく分けると「浅煎り・中煎り・深煎り」の三段階。さらに細かく分けると「ライトロースト・シナモンロースト・ミディアムロースト・ハイロースト・シティロースト・フルシティロースト・フレンチロースト・イタリアンロースト」の8段階です。
ちなみに“TOKYOロースト”は中煎り(ハイローストからシティローストの間ぐらい)です。
寺崎さんが生豆から完成までの焙煎度合を数分ごとに出して見せてくれました。上写真向かって一番右側が生豆で、左側がロースト完成品。焙煎が進むほどに豆の大きさが少しずつ膨らんで大きくなっているのがわかりますね。
焙煎したてのコーヒー豆をすぐに飲むのが一番おいしいわけではない
「コーヒーは焙煎したてがおいしい」と思っていたのですが、寺崎さんに質問したところ、そうとは限らないとの回答が!
『コーヒー豆は焙煎することで化学反応を起こし、炭酸ガスが豆をコーティングしているような状態になっています。焙煎したてのコーヒー豆、香りはいいのですがガスのせいでお湯が豆に触れにくくなります。
1週間ほどガス抜きを兼ねて寝かせると、しっかり抽出でき、風味よく後味のよいコーヒーを楽しむことができますよ』
とのこと。とても参考になりました。
自分好みのコーヒー豆を発見する方法は?
コーヒー豆を選ぶときにたくさんありすぎて迷ってしまいます。どんな基準で選んだらいいのでしょうか。
『コーヒー豆の種類の違い、同じ種類でも産地によって味・風味が異なります。まずは同じぐらいの焙煎度合、同じ淹れ方で飲み比べてみると特徴がわかりやすいと思います。』と寺崎さん。
スターバックスで扱っているコーヒー豆は主に3つのエリア(産地)で、それぞれの特徴を簡単に紹介すると以下の通りだそうです。
- ラテンアメリカ(グアテマラやコスタリカ、ブラジル、コロンビアなど):ナッツやチョコレート、風味・コク・酸味などバランスのよい味
- アフリカ(エチオピア、ケニア、タンザニア、ルワンダ、ブルンジなど):フルーティでフローラル、酸味が豊か、後味がしっかりしていてワインのような味わい
- アジア・太平洋・インドネシア(スマトラ・スラウェシ・ジャワ・バリ)・ベトナム・パプアニューギニア・インドなど:ハーバル感、スパイシー、酸味がマイルドでコク豊か、バターなどのオイル感がある
まずは自分にとってベストな豆を発見し、今度は焙煎度合を浅煎りから深煎りまで試してみる。浅煎りであるほど、酸味が感じられ、深煎りほどコーヒーならではの芳ばしさ、苦みを楽しめるとのことでした。
コーヒーの抽出方法は何がおすすめ?大別すると2種類ある
好みのコーヒー豆・焙煎度合を発見できたら次は抽出方法についてです。
『コーヒーの抽出方法には、大きく分けてペーパーフィルターありとなしの2つに大別できます。ペーパーフィルターを通した場合は「すっきりとした飲み口」になります。なしの場合は「なめらかでまろやかな味わい」です』
コーヒープレス・クローバー(金属製フィルターを使用)のように、ペーパーフィルターなしの場合は油分も抽出されるので、コーヒー豆の風味を丸ごと味わうことができるとのことでした。
いわゆる“コールド ブリュー=水出しコーヒー”は熱を使わずに抽出するので、苦みがマイルドになり、まろやかな口当たりに仕上がるそうです。スターバックスでは紙フィルターを通し、すっきりとした味わいを強調したアイスコーヒーにしているとのことでした。
購入したコーヒーのベストな保存方法は?劣化を早めるのは光・酸素・熱・湿気
『コーヒーは鮮度が大切です』と寺崎さん。コーヒーを劣化させてしまう要因は「光・酸素・熱・湿気」の4つで、これらからしっかり守り、できれば豆の状態で保存するのがベストだそう。
『スターバックスのコーヒーパッケージは、これらをシャットアウトするものを使用しています。購入したら光を通さない密閉容器へ移し替え、食器棚など温度変化が少ない場所に保管するのがおすすめです』
冷凍庫保存がよいという話も聞きますが、寺崎さんはおすすめしないといいます。というのも、冷凍しておいた豆を挽くと温度差で結露してしまうのがその理由。
『コーヒー豆が湿ってしまうと風味が損なわれてしまいます』
よく透明な容器(キャニスター)が売っていますが、直射日光が当たるようなら豆をパッケージに入れたまま容器に入れて保存するとよいとのことでした。
コロナ禍でスペシャルティコーヒーを自宅で楽しむ人は増えている
コロナ禍でもコーヒー豆を購入する人は多く、皆さんご自宅でおいしいコーヒーを楽しんでいる様子。
私もコーヒーのドリップポット、コーヒーミルと次々道具を揃えてしまった口ですが、なかなかカフェでおいしいコーヒーが飲めず、自力でなんとかしようと考える人は増えているということですね。
私のつたない質問にも次々とよどみなく、わかりやすく答えてくださった寺崎さん。お店のバリスタやロースタリーは、どなたでもコーヒーについての知識を豊富にお持ちです。知りたいことがありまいしたら、遠慮なく声をかけてみましょう。
全3回に渡り、「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」の魅力を特集してきました。ここがスターバックスにとっても特別な空間であることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
朝7時からオープンしている中目黒でも希少なお店。土日祝はなかなか入店できないといわれていますが、平日の午前中は比較的利用しやすいとのこと。
ぜひ早起きしてモーニングや出勤前のひとときをここで過ごしてみませんか?
・唯一無二の「のめり込むような体験」が楽しめるその魅力について
・“特別な体験”とここならではの”味”をご紹介
・ロースター(焙煎士)・寺崎浩一さんインタビュー
・プリンチ®の「マリトッツォ」ってどんな味?
■取材協力
↓「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」の場所はこちらです。
※東急東横線・中目黒駅から徒歩約11分、東急田園都市線・池尻大橋駅から徒歩約10分、目黒川沿いにあります。