【目黒区】穀粒菓子店「雪ワタリテ麦イズル」で心・体にやさしい素朴なお菓子を!場所は目黒と不動前の間にあります
JR山手線の目黒駅から東急目黒線・不動前駅のちょうど中間ぐらいにある小さなスイートショップ「雪ワタリ麦イズル」。山手通り沿いにある「トレファクスタイル目黒店」の脇の路地を入り、柳通りへ抜ける道沿いにあります。
「雪ワタリ麦イズル」のある建物には「篠原工業所」という看板がつけられたまま。その1階をリノベーションしたお店なので、見逃さないようにしてくださいね。
今回はユニークな穀粒菓子を提供する雪ワタリテ麦イズルを取材。素朴だけど新しい、懐かしさも感じられるこだわりの焼き菓子の魅力をご紹介したいと思います。
不思議の国のアリスになった気分で「雪ワタリテ麦イズル」の店内へ
雪ワタリテ麦イズルの入り口は子どもの背丈に合わせたような小さな扉がついています。大人だと腰をかがめないと入れません。お茶室に入るときの入り口のようでもあります。
私がイメージしたのは、ルイス・キャロルの小説「不思議の国のアリス」。アリスが白うさぎを追いかけてたどり着いた小さな扉の前で、大きすぎて入れないという場面がでてきますよね。
もちろん、私でもちゃんと通り抜けられたので安心してくださいね(男性でも大丈夫です!)。
店内はお客様2人がかろうじて入れるぐらいのコンパクトなスペース。かわいらしいポット型のライト、レトロなガラス棚に並べられた焼き菓子が出迎えてくれました。
「雪ワタリテ麦イズル」とはどんな意味?店名の由来
雪ワタリテ麦イズルは阿部 圭一郎さんと恵さんご夫妻がお2人で営むお店。店名である“雪ワタリテ麦イズル”とは漢字で“雪下出麦”と書きます。
日本には七十二候(しちゅじゅうにこう)という72の季節を表現したことばがあり、“雪下出麦”もその一つ。
約5日ごとに鳥・虫・植物・天候などの様子を表した72の美しいことばの中で、“雪下出麦”とは第六十六候(1月1日~5日頃)に付けられた名前。冬の間に降り積もった雪や霜の下で芽を出し、春を待つ麦の姿を表したものです。
麦は五穀の精とも呼ばれ、冬の寒さに耐えながら年を越し、初夏に収穫を迎えます。麦は食品や飲料、調味料などの原料として、さまざまな製品へと生まれ変わり、世界の人口約半数の食生活を支えているといわれる大切な穀物のひとつ。
お店の名前は日本の四季の移ろいを表す美しいことばであり、麦という私たちの食生活を支える大切な存在、そして風雪に耐え抜き、けなげに芽を伸ばす力強さを感じさせます。
四季折々の素材を使った手作りの焼き菓子には、日本ならではの情感の豊かさやその時期ならではのおいしさを楽しんでもらいたい、という阿部さんご夫婦の想いが込められているということですね。
「雪ワタリテ麦イズル」の焼き菓子は、厳選された素材が生み出す素朴だけど味わい深いハーモニー
雪ワタリテ麦イズルの焼き菓子は安心安全な素材にこだわり、毎日食べても飽きないシンプルなものを提供しています。精製された白砂糖や添加物は不使用。
小麦粉・てんさい糖は北海道産、玄米粉は茨城県産無農薬栽培のお米、卵は茨城県産平飼い有精卵を使用するなど、トレサービリティがしっかりしているのが特徴です。
植物オイルを使って焼き上げるクッキーは、素材の味がくっきり。甘さも控えめでかみしめるたびに、旨味が口の中にひろがり、奥行きのあるおいしさを感じることができます。
牛乳や生クリーム、バターをたっぷり使ったお菓子も、たまにはいいのですが毎日はちょっと重すぎる。おこもり生活で、お茶うけにちょっと甘いものが欲しい。そんな時は雪ワタリテ麦イズルのように、食べ飽きないお菓子は嬉しいですね。
店主の阿部さんも『罪悪感なく甘いものが食べられる』とおっしゃっていました。
「ココナッツオイルと黒糖のブールドネージュ」「ひなたの粒 玄米カカオ」「モロヘイヤと白ごまのぐるぐるクッキー」を購入!
私もおこもり用お菓子を3種類購入!店名をイメージしたかわいらしいパッケージに入れてくださいました。昔ながらの素朴な手触りの紙で、駄菓子屋さんでお買い物したような気分を味わえます。
一口で食べられるブールドネージュはフランス語で「雪の玉」という意味。通常はアーモンド粉でつくりますが、雪ワタリテ麦イズルのブールドネージュは北海道小麦きたほなみと鹿児島県喜界島産さとうきび租糖、低温圧搾一番搾り無精製・無漂白のエキストラバージンココナッツオイルでつくっています。
口の中でほろほろと溶けていく食感。黒糖の複雑で独特の甘さ。懐かしいけど現代的なお菓子でクセになる美味しさです。コーヒーにも日本茶にも合う味。ついつい手が伸びてしまいます。
そして雪ワタリテ麦イズルの人気商品である「ひなたの粒 玄米カカオ」。
茨城県お米農家やまざきさんの無農薬・化学肥料不使用の玄米粉、鹿児島県喜界島産さとうきび租糖、国産こめ油を使用して焼き上げたクッキー。クーベルチュールチョコレートクリームをサンドした、まん丸なマカロンのような形が可愛らしい一品です。
こちら、購入した日が激暑な日で、自宅に持ち帰ったところチョコレートが溶けて写真が撮れませんでした・・・。でもお味は素晴らしく、ザクザクとした食感が楽しめました。
そして味の想像がつかなかった「モロヘイヤと白ごまのぐるぐるクッキー」。
三重産無農薬モロヘイヤと石臼で挽いた北海道産全粒粉、白ごまを使い焼き上げています。甘さは控えめの栄養価の高いザクザクしたクッキーです。
ちょっと歯ごたえがあって、かみしめると胡麻の風味がふわっと鼻を抜けます。もちろんモロヘイヤの風味もしっかり!これは意外なおいしさです。
よい素材を使っているので一つひとつの味わいや旨味が引き出され、おいしさのハーモニーを奏でる。他ではちょっと味わえないと思いました。
ギフトや結婚式の引き出物に人気の「雪ワタリテ麦イズル」オリジナルパッケージ
雪ワタリテ麦イズルのお菓子をプレゼントしたい、そんな場合はオリジナルのかわいいイラストを使ったギフトパッケージがあります。
定番のお菓子箱は6種類。イラストは熊谷奈保子さんが手掛けたもので、やわらかなタッチと色使いに癒されます。さらに、季節限定イラストを使用したギフトボックスが1種類。
月替わりでその時期にしか出会えないイラストを使った箱でプレゼントすることができます。取材したのは8月でしたのでイラストのテーマは『夏の庭』。箱のサイズは大・中・小と3種類です。
箱に付ける熨斗にはメッセージが書かれていて、「無理しないでね」「心ばかり」「いつもありがとうございます」など100種類も用意されているとか!贈る相手の顔を想像しながら選ぶのも楽しいですね。
雪ワタリテ麦イズルのお菓子は結婚式の引き出物にも大人気。お2人の新しい門出に心に残るメッセージを添えてお渡しするのはいかがでしょうか。通販でも購入できますよ。
「雪ワタリテ麦イズル」は阿部夫妻のセルフリノベーション
雪ワタリテ麦イズルがオープンしたのは2020年10月のこと。リノベーションは阿部さんご夫妻がご自身でDIYしたものです。もともとお2人で空間装飾などを手掛けるお仕事をされてきたとのこと。
活動の一環でお菓子を焼いたりしてきたことから、いつか自分たちのお店をと思い、実現させたのが雪ワタリテ麦イズルだそうです。
床板張り、手作りカウンター、壁のペイントや壁紙貼りなど、すべてが手作り。店内のディスプレイや家具選びなどお2人の想いをカタチにした素敵な世界観が広がっています。
季節感を大切にしたお菓子とパッケージ。絵本をめくるように物語りが綴られていく雪ワタリテ麦イズルに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょか。
「雪ワタリテ麦イズル」店舗情報
↓「雪ワタリテ麦イズル」は目黒駅もしくは不動前駅から徒歩約7~8分、こちらの場所になります