【目黒区】目黒川の水質改善のため、太鼓橋からホテル雅叙園東京前の川沿い道路が通行止めになっています
すでにご存じの方も多いかと思いますが、水質改善の浄化施設「高濃度酸素溶解水供給施設」建設のため、目黒川沿い、「ホテル雅叙園東京」前の道が通行止めになっています。
工事期間は2022年6月中旬~2023年3月15日。お花見の季節と少しひっかかりそうですね。
【目黒区】目黒川の水質改善工事のため通行止めとなっていた、「ホテル雅叙園東京」前の目黒川沿い通路が一時開放になっています
夏になると悪臭と汚れに悩まされてきた目黒川
公共下水道の整備や落合水再生センターからの高度処理水の送水等により、一定の改善はされてきた目黒川の水質。
以前、目黒船入場を紹介した際に、「目黒川 清流の復活」という碑が建てられているとご紹介をしました。
しかしながら、夏になり水温が上がり、雨が降った後になると、悪臭や水面の白濁化、スカム(汚泥などが水面に浮上したもの)等が発生する現象が生じています。
特に、中目黒から下目黒の区境にかけては、潮の満ち引きにより川の流れが悪くなりがち。ヘドロが溜まりやすくなることから、悪臭や白濁化、スカムが発生することが増えてしまいます。
![目黒川の水質が悪くなる夏](https://meguro.goguynet.jp/wp-content/uploads/sites/247/2022/07/megurogawa_iro.jpg)
夏の目黒川
また、植物性のプランクトンが発生し、水面が緑色になる場合もあります。上の写真は7月1日(金)に撮影した太鼓橋付近の目黒川です。かなり緑色ですね。
水質改善の施設建屋を設置するため、ホテル雅叙園東京前の道が通行止めになっています
そこで、目黒区では東京都と連携し、以下の対策を行っています(引用元:目黒区ホームページより)。
- ヘドロの除去(目黒新橋から太鼓橋間で川底のしゅんせつを行っている)
- 川底を平にして(田楽橋から目黒新橋間)水の流れをよくする
- 落合水再生センターで処理した再生水を流すことで水流を確保
- 川の清掃(目黒川クリーンアップ大作戦)
- 下水道官から汚水を川に流さない対策
- 東京都への要望活動
今回、水質改善への新たなる取り組みとして、目黒川水質浄化対策計画を策定。その一環として、「高濃度酸素溶解水供給施設の整備」を行うことになりました。
ホテル雅叙園東京脇の道が通行止めになっているのは、この高濃度酸素溶解水供給施設建屋を新築するための工事だったというわけです。
「高濃度酸素溶解水供給施設の整備」とはどんなもの?
川の水の悪臭や白濁化の原因となっているものの一つである硫化水素の発生。それを抑制するために、川の底層に高濃度溶解水を供給する装置を置くという工事です。
気温が高くなると、表面の水温が高くなり、底の方と混ざりにくくなるそうです。川底にたまった有機物を餌にする微生物が酸素を消費し続ける結果、海の底の水は酸素が少ない状態に。
この水の層を“貧酸素水塊”と呼びます(参照元:長崎県ホームページより)。
今回、目黒区が設置する装置は、吸い込み口から貧酸素層の水を引き込み、それに大気中に存在する酸素を溶解させて高濃度酸素溶解水を作り、元の層にもどすことで、効率よく酸素を供給するというもの。
底層の嫌気(けんき)状態(=酸素のない状態)を解消することで、硫化水素の発生が抑えられるのだそうです。
美しい水辺のある街、目黒
目黒川は都内でも有数の桜の名所。初夏からは美しい新緑が涼し気な日陰を作っています。川沿いの道は、地元の方がお散歩やランニングコースとして日頃から親しんでいる場所。
夏も快適なリバーサイドの環境を守るための試み。しばらく通行止めで不便となりますが、迂回をお願いします。
↓目黒川の太鼓橋から亀の甲橋の間、「ホテル雅叙園東京」側の道が通行止めです