【目黒区】大岡山にあるサポート付き貸し農園「シェア畑」を訪問、野菜作りの醍醐味と自然と向き合う面白さを教えていただきました
畑や農作業に必要な農具などを貸し出し、手ぶらで気軽に野菜作りが楽しめる「シェア畑」。目黒区内にも「シェア畑 目黒本町」、「シェア畑 碑文谷三丁目」、「シェア畑 碑文谷一丁目」、「シェア畑 目黒柿の木坂」、「シェア畑 大岡山」の5か所あります。
今回は都立大学駅から徒歩約9分、大岡山駅から徒歩約12分の所にある「シェア畑 大岡山」へおじゃましてきました。畑で野菜をつくる面白さ、大変さ、自然との付き合い方などを「シェア畑 碑文谷三丁目」菜園アドバイザーの西川さんに取材。
野菜作りの醍醐味や自然との付き合い方の楽しさ、厳しさなども伺ってきました!
目黒区立中根住区センターに隣接する「シェア畑 大岡山」
「シェア畑 大岡山」があるのは大岡山1丁目。目黒区立中根住区センターのお隣です。近くには中根公園や区立中根小学校、志のぶ幼稚園などもある住宅地の中。
比較的こじんまりとしたシェア畑ですが、日当たりもよく、夏野菜や果物がすくすくと育っています。
皆さんがどのような作物を作っているのか少し、のぞき見してみましょう。
甘くて味が濃い露地栽培のトマト!もぎたてのおいしさは格別
夏野菜といえばやっぱりトマト。いろいろな種類のトマトが栽培されていました。
ミニトマトはベランダでプランター栽培もできる手頃な野菜。空気中の水分を茎葉から吸収するので毎日の水やりは不要ということで、比較的初心者でも難しくない印象です。
「シェア畑 碑文谷三丁目」菜園アドバイザーの西川さんにお話をうかがったところ、露地栽培するトマトについては注意点があるそうです。
天気がよく乾燥が続いた後、雨がたくさん降るとトマトが一気に水分を吸収。実がはじけてしまうことがあるとのこと。
実がなってからの水やりは少なめがいいのですが、何日も好天が続くようなら、陽が落ちた時間に水をたっぷりとあげておくといいそうです。
油断大敵、あっというまに大きくなってしまうきゅうり
そしてきゅうり。もぎたてを氷水で冷やしてそのままかぶりつくと本当においしいですよね。
しかしきゅうりは、あっという間に大きくなってしまうので目が離せません。花が咲いてから1週間程度で収穫できるそうですが、天気が良いと1日で3㎝前後も大きくなってしまうとか。
朝見てまだまだだなと思ってたら、翌日には巨大化していることがあるそうです。
西川さんに上写真の野菜はなんですか?と聞いたところ、「収穫のタイミングを逃して巨大化したきゅうりです」とおっしゃっていました。
新種の瓜かと思ってしまいました・・・。もはやきゅうりには見えない、迫力のサイズですね。
花が美しく鑑賞用としてもかわいいオクラ
夏のねばねば食材として納豆や山芋と混ぜて食べてもおいしいオクラ。上のようなかわいらしいお花を咲かせます。原産地はアフリカの北東部なのだそう。
1つの株から次々と花を咲かせて実をつけるので、きちんと管理すればたくさん収穫できるそうですよ。
そろそろ収穫時期、ゆりかごのようにネットで支えられていたスイカ
そして夏といえばやっぱりスイカ!暑い日に冷やしたスイカにかぶりつくのは夏の醍醐味ですね。
網でゆりかごのように支えているのは、重さで苗が倒れてしまったり、つるが切れて落ちてしまわないようにしているとのこと。こちらのスイカはそろそろ食べごろになってきているそうですよ。
食べる時に少しだけ欲しい薬味系の野菜やハーブを、畑の片隅に植えておくと便利
シソやバジル、ペパーミントなど薬味でちょっと使いたい野菜やハーブも植えられていました。買うと高いし、必ず余らせてしまうので、必要な時に畑から摘んでこられるのは助かりますね。
借りているシェア畑が家から近いならぜひ!
落ちた花から実が生まれるので“落下生”
今回一番感動したのが「落花生」。食べたことはあっても生っているところは見たことがありません。
土の中で実が育つのは知っていたのですが、花が落ちて、花の基部から子房が伸びて地中に潜り、実をつけるというのを初めて知りました。
上写真は落ちた花から子房が伸びているところ。この子房が土中にもぐり、その先に実がなるのだそうです。花が落ちて実が生るから“落花生”という名前なのでした。
子どもたちに植物の育ち方や実の付け方などを紹介すると目を輝かせて楽しんでくれるのが嬉しいと西川さん。都会生活をしている大人でも、野菜がどのように育つのかを目の当たりにする機会が少ないので、とても楽しめました。
「シェア畑」は野菜の種・苗・肥料・農作業の道具も不要で、手厚いサポートが魅力
初めて家庭菜園に取り組むという場合、どのように野菜を育てたらいいかまったく見当もつきません。ネットや本などを見て見よう見真似でやることはできても、自然相手となるとかなり苦戦してしまいます。
「シェア畑」では、手ぶらで気軽に農作業が楽しめるように、季節ごとの野菜の種や苗、たい肥などもすべて用意。クワやスコップ、鎌、剪定ばさみなどの農具も全部設置されており、自由に使うことができます。
農具以外に必要な野菜を支える長い支柱や虫の侵入を防ぐ防虫ネットなども常備されており、使い方も教えてくれますよ。
そして西川さんのように、経験豊富な菜園アドバイザーが土日を含め、週4日以上(一部の農園を除く)勤務。わからないことはいつでも聞くことができるので安心です。
「シェア畑」では有機肥料を使い、無農薬で栽培!
「シェア畑」では化学肥料は使わず、牛糞・鶏糞たい肥や油かすなどの有機質肥料を使用し自然の力を利用して野菜を育てることができます。
また、殺虫剤などの化学農薬は使用していません。旨みがギュッと詰まった野菜をそのまま丸かじりでいただけます。小さなお子様がいるご家庭でも安心ですね。
農薬を使わずに栽培する場合、害虫が大変。でも、YouTubeで動画を配信するなど、対策を随時配信しています。
西川さんいわく、野菜の苗そのものが元気であれば、害虫にやられにくい傾向にあるといいます。元気で健康な苗を育てるコツなどもぜひ、アドバイスしてもらってくださいね。
「シェア畑 大岡山」でも「ひまわりプロジェクト」に参加中
「シェア畑 大岡山」でも「ひまわりプロジェクト」に参加中です。「ひまわりプロジェクト」は、福島県で障がい者支援を行っているNPO法人シャロームが2012年からスタートさせた福祉プロジェクト。
全国から集めたひまわりの種をもとに、“ひまわり油「みんなの手」”を製造・販売しています。販売から得た収益は、障がい者の支援や福島の子どもたちの社会活動の資金として活用。約1㎏の種から1本のひまわり油が製品化されるそうです。
「シェア畑」でも全国62ヶ所の農園で、約1,500本のひまわりを育てて協力中。「シェア畑 大岡山」もその一つとなっています。
【目黒区】サポート付き貸し農園「シェア畑」が全国で約1,500本のひまわりを育てて「ひまわりプロジェクト」に協力中。目黒区内でも3ヶ所の農園でひまわりを育てています
この他目黒区内では「シェア畑 目黒本町」「シェア畑 碑文谷1丁目」が参加中です。しかし、このひまわりの種、おいしいらしく鳥が食べに来てしまうそうです・・・。
特に「シェア畑 碑文谷1丁目」では苦戦中とのこと。自然の営みの中で作物を育てるというのは一筋縄ではいかないというのを感じるエピソードでした。
自分たちの手で育てた野菜・フルーツ・ハーブは格別。どんな風に育てられたものかもわかるので、安心ですね。
「家庭菜園に興味がある」「学校や幼稚園などで農業体験をやってみたい」「お店で出す野菜やハーブなどを育ててみたい」という方。ぜひ「シェア畑」を始めてみてはいかがでしょうか。
★「シェア畑 目黒本町」「シェア畑 目黒柿の木坂」でぷち農業体験★
【目黒区】9月に目黒本町と目黒柿の木坂にあるサポート付き貸し農園「シェア畑」で無料の“ぷち農業体験会”を実施。予約受付中!
■取材協力
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