【目黒区】気分は調香師!天然香料だけで創るフルオーダーフレグランス専門店「THE NOTE BAR(ザ ノート バー)」で、自分だけのオリジナルの香りを愉しむ
目黒区から世田谷区にまたがる商業施設「トレインチ自由が丘」の2階に、フルオーダーフレグランス専門店「THE NOTE BAR(ザ ノート バー)」が2023年9月30日(土)にオープンしました。
日本では珍しい天然香料だけでつくる調香サービス。自分好みの香りを組み合わせて、世界でただ一つのオリジナルフレグランスを完成させることができます。
メディア向けに開催されたプレオープンイベントに参加。フルオーダー・フレグランスカクテルを体験してきました!
実はとても難しい、天然香料だけを使ったフレグランス制作
お店で販売されている香水類は合成香料を使用するのが一般的。コストもそうですが、天然香料は同じ植物などから抽出したとしても香りが安定しないこと、品質を保つのも難しいことがあげられます。
同じ植物を同じ畑で育てたとしても、その年の気候や土の養分バランスなど、さまざまな要因でまったく同じ香りに仕上がるとは限らないからです。
香りそのものは有機化合物(化学成分)が複雑に組み合わさり、生み出されるものですが、そのすべての成分が判明しているわけではありません。ごく微量に含まれる成分が独自の香りを生み出している場合も。
フローラルの代表として研究されつくされているイメージがあるローズの香りでさえ、いまだ本物の香りを再現できていないのです。
天然香料は自然界が生み出すまさに芸術作品。その天然香料だけでフレグランスを創れるというのは、かなり贅沢でレアな体験といえるでしょう。
好みの香りを完成させるため、まずは調香師さんによるコンサルテーション
「THE NOTE BAR」では約300種類の天然香料をラインナップ。フレグランスは基本、複数の香りを組み合わせて完成させます。
私自身、AEAJ(日本アロマテラピー環境協会)認定アロマブレンドデザイナー、アロマセラピストを取得していますが、授業で習った香りをブレンドするにあたり大切なのは以下の3つです。
- 香調:どのように香るかの表現(色調、曲調のようなもの)、シトラス・フローラル・ウッディなどのような香りのタイプ
- 強さ:ほのかに香るのか、強く香るのか、香りの強度
- 持続性:トップノート、ミドルノート、ベースノートで表現、本来の香りが持続される長さのこと
オリジナルでフレグランスを創作する場合は、この3つを手掛かりに完成させたい香りのイメージを組み立てていくことになります。
今回は「THE NOTE BAR」の調香師さんがガイド役となって、自分が求めている香りの方向性をサポートしてくれました。
まずは調香師さんから「どのような香りのタイプが好きなのか?普段好きな香りは?」という質問。
「ベチバーのように土臭く重く、ウッディなトーンがあるベースノート」が好きという私の回答に対し、「オリエンタル」「ウッディ」「グリーン」の香調をおすすめいただきました。
試香紙に付けたそれぞれの香りをかぎ、3つの中から1つの香調に絞っていきます。私がその日気に入ったのは「グリーン」です。
同じ「グリーン」という香調でも、軽いタッチのものから重いものまでのバリエーションがあります。私は「重い」香りが好きということで、「グリーンディープ」の香りを組み立てるのにおすすめの香料をセレクトしてくれました。
フレグランスを創る際に考慮しなければならないのは「香りの持続性」。大きく分けてトップ・ミドル・ベースノートで表現されます。
- トップノート:香りの第一印象を決める、最初に鼻に届く香り(揮発性が高い)
- ミドルノート:トップとベースを繋ぐ架け橋となる香り、香りの芯になります
- ベースノート:香りを長く留める保留剤のような役目、残り香(揮発しにくい)
最低でもこの3種類の香りを使って組み立てるのがベスト。時間の経過とともに香りが変化し、その人自身の“体臭”と混ざり合い、独自の香りを生み出してくれるよい調香となるとよくいわれます。
「グリーンディープ」の香りを組み立てる天然香料12種類が登場
さあ、ここからはひたすら香りを嗅ぎ、好みの香りの組み合わせを創り上げていく作業になります。チョイスしてくれたのは12種類の香り。
それぞれ単品の香りではなく、組み合わせて魅力的に香る構成を考えていかなければなりません。おすすめいただいた香りは以下の通りです。
■トップノート
- ニアウリ×ガルバナム
- タイム×ユーカリレモン
- ペパーミント×ユズ
■トップ~ミドル
- ホップ×ジンジャーグラス×メリッサ
- ホーウッド×山椒
- オレガノ×レモンタイム
■ミドル~ベースノート
- カーネーション×スピナッチリーフ
- バイオレットリーフ×スピナッチリーフ
- ヘイ×スピナッチリーフ
■ベースノート
- フランキンセンス×カラマスルート
- アンブレットシード×シスタス
- シプリオール×シスタス
ここから1種類ずつ選んでも良し。トップノートを多く、ベースを多くもOKとのことでした。
香りを長く嗅ぎ続けると嗅覚が疲れ、香りの区別がつかなくなるのでリセットするためのコーヒー豆が用意されています。
私は素直に4種類から1種類ずつ選び、組み立てることにしました。
最後まで悩んだのは「ミドル~ベースノート」で、カーネーション×スピナッチリーフにするか、バイオレットリーフ×スピナッチリーフにするかです。
カーネーション単体の香りは好みがわかれる独特の香りですが、これを薄めて他の香りとブレンドするととてもエレガントなフローラルの香りになります。
バイオレットリーフはグリーン系の香りを創るのによく使われる香料。
「トップノート」はニアウリ×ガルバナム、「トップ~ミドルノート」はホップ×ジンジャーグラス×メリッサ、「ベースノート」はアンブレットシード×シスタスと決め、カーネーションを入れた場合とバイオレットリーフを入れた場合、4種類の試香紙を嗅ぎながら頭を抱えます。
最終的には、その日の気分に最もフィットした「カーネーション×スピナッチリーフ」に決定しました。普段あまりフローラル系は好まないのですが、その日はカーネーションのブレンドに不思議と心惹かれたのです。
私が選択した香料をブレンディングし、最終確認します
最終的に私が選んだ4種類の香料をブレンドして、香りを確認させていただきました。まだ熟成していないので、少し香りはバラバラに感じますが、時間が経てば一つの“アコード”として心地よいハーモニーを奏でるはず。
オリジナルフレグランスが出来上がるまで30分~1時間かかるということなので、1階にあるカフェやショップで少し時間をつぶすことにします。
私がブレンドしたフレグランスに名前を付けて、ラベルに入れてくれるとのこと。ありきたりですが「Feel Green」と名付けました。
オリジナルフレグランス「Feel Green」が完成しました!
お店の方から電話をいただき、完成したフレグランスを受け取りました!
ボトルもかわいらしく、スプレー留めに付けてくれたチャームも素敵です。しっかりとした箱に入れてくれるので、ギフトにしても喜ばれますね。
いただいたブレンドシートには以下のコメントがありました。
Note
第一印象はバランスの取れたすっきり感
芯には爽やかな苦みと透明感のあるグリーンノートがあり
時間の経過とともにあたたかく落ち着いた奥深い香りへと変化していきます。
フレグランスにはリピート用のシリアルNo.もついているので、気に入ったらまた同じ香りで調香してくれます。
個人でこれだけの香料を揃えてブレンドするにはかなり費用が掛かるので、とても魅力的なサービスです。
バーでオリジナルカクテルを作ってもらうように完成させるオリジナルフレグランス
「THE NOTE BAR」という店名に付けられている「NOTE(ノート)」は「香りの調べ」という意味。また、記憶を書き留める「ノート」という意味も込められています。
香りは、脳の中の本能や情動を司る部分に直接届き、私たちの記憶や感情などとストレートに結びつくものです。どんなによい香りでも、嫌な思い出と結びつけば「苦手」と感じるもの。
その反面、懐かしく心地よい記憶と結びつけば、その香りを嗅ぐだけでリラックスして楽しい気分になれます。
香料の組み合わせ次第で、無限に新しい香りとの出会いが体験できるフレグランスの調香は、カクテルのブレンドにも似ている・・・。ということで、「THE NOTE BAR」では調香師をバーテンダーに見立て、お客様にフレグランスの調香を体験いただく空間として創り上げたとのこと。
好みの香りを一つずつ丁寧に選ぶ作業は、自分自身と向き合い、自分の感情を知る大切な時間にもなります。普段忙しいとなかなか内省する時間が取れないので、とても貴重な体験をさせていただきました。
自然が偶然生み出す天然香料だから複雑で安定しない。でも、合成香料のように主張しすぎる香りではなく、やわらかく香り、変化や多様性に富んだ魅力を発揮します。
運営会社であるmono株式会社は、オーガニックコスメの輸入販売で培った独自の仕入れルートを確立。約300種類という膨大な天然香料を取り揃えることで、天然香料のみでは難しいとされた香りの幅広い表現も実現させています。
これまで香水は苦手と感じてこられた方でも、ぜひ一度、天然香料が持つ優しさや温かさに触れてみてはいかがでしょうか。軽やかに香るルームフレグランスづくりも可能ですよ。
★オリジナルの香りで楽しむハンドクリーム★
【目黒区】「トレインチ自由が丘」の2階にあるオーダーメイド香水専門店「THE NOTE BAR(ザ ノート バー)」でフルオーダー・ハンドクリームとパルファムカクテルの調香を体験してきました
■取材協力
↓「THE NOTE BAR(ザ ノート バー)」の場所はこちらになります。