【目黒区】ホテル雅叙園東京・東京都指定有形文化財「百段階段」で開催中の「懐かしく新しい“レトロ”を旅する 古今東西ニッポンの風景」を見てきました
「ホテル雅叙園東京」敷地内にある東京都指定有形文化財「百段階段」で現在行われている企画展「懐かしく新しい“レトロ”を旅する 古今東西ニッポンの風景」。2023年12月2日(土)~12月24日(日)/2024年1月1日(月・祝)~1月4日(木)の期間限定で開催中です。
架空の温泉街をイメージした展示や旅先で出会う伝統工芸、お土産、お祭り、ご当地パンなどどこか懐かしく、心躍るような日本の風景が楽しめる企画展。さらに「旧・目黒雅叙園への旅」として、開業当初からのパンフレットや新聞広告などの歴史資料も合わせて紹介されています。
今回はこちらのイベントに足を運んできたのでご紹介していきましょう。
架空の旅館を訪れたところから企画展への旅が始まるストーリー
文化財「百段階段」へとつながる渡り廊下からすでに企画展「懐かしく新しい“レトロ”を旅する 古今東西ニッポンの風景」の物語は始まっています。
廊下にかけられている暖簾にあしらわれている「旅亭 雅楼」の家紋は「丸に三つ組子扇に牡丹」。“百花の王”と呼ばれる牡丹は、幸福や富貴の象徴でもあります。
華やかでありながら、不老・不死の仙薬を意味する“丹”が花の名前に使われていることから、訪れている人の不老長寿を願って作られた紋なのだそうです。
靴を脱いで上がると、レトロな雰囲気の旅館へおじゃましたような演出。旅に出た気分を否が応でも盛り上げてくれます。
懐かしさを感じる旅館の客間を演出した「十畝の間」
最初のお部屋「十畝の間」では、まるで一昔前にタイムスリップしたような趣ある旅館の客間が設えてありました。
窓の向こうには豊かな緑が見えて、目黒にいるとは思えない雰囲気。
どんな人が旅館を訪れているのか想像する楽しみもありますね。
日本のお祭りや祝祭の様子が伝わる「漁樵の間」
色鮮やかで豪華な彫刻や装飾が素晴らしい「漁樵の間」。こちらでは日本のお祭りや祝祭の様子を演出したお部屋となっています。
縁起物がずらりと並ぶ棚、カラフルなキツネのお面。
お正月やお祝いの席で使われる飾りや米俵、朱桶など、贅を尽くした「漁樵の間」にぴったりな華やかな演出でした。
日本の伝統工芸品、こけしがずらりと並ぶ「草丘の間」
続いて「草丘の間」では東北地方によくみられる伝統工芸品、こけしがずらりと展示されていました。
こけしはろくろで挽いて造られる木製の人形玩具。一般的には丸い頭に円筒状の胴という姿で知られています。
![津軽系のこけし](https://meguro.goguynet.jp/wp-content/uploads/sites/247/2023/12/kokontozai_nippon12.jpg)
津軽系のこけし
こけしは江戸時代後期に、東北の温泉地土産として作られたのが発祥なのだとか。姿形や顔立ちなどは場所によって少しずつ違って個性があります。
昔ながらのこけし以外にも現代風の創作こけしや木地玩具など、いろいろな種類が展示されて楽しめました。
ポップなデジタルイラストで、想像上の商店街や建物を表現した中村杏子さんの作品を展示「静水の間」
「静水の間」では京都出身のイラストレーター・中村杏子さんのポップでカワイイイラストが展示されていました。カラフルな色使いでレトロな町並みや建物を描いた作品が20点。
レトロな喫茶店を訪れたような写真が撮れるフォトスポットもありました。
今回展示されていた作品は、中村杏子さんの作品集「郷愁的商店街図集」「家内幸福」から、想像上の商店街や建物を描いた作品をピックアップ。
二次元の世界に迷い込んでしまったような、非現実的だけどどこか懐かしく新しい世界観を満喫できました。
妖しいネオンが灯る近未来的な温泉街へ迷い込んだような「星光の間」
裏路地のような細い廊下を抜けた先にある「星光の間」。ここでははらわたちゅん子さんが描く2次元作品を、実際のネオン管で再現した立体展示や、線画イラストをアクリルパネルとライトで仕上げたカラフルな作品を展示しています。
はらわたちゅん子さんは、異国の喧噪や日本の路地にインスピレーションを得ながら、イラストとタイポグラフィを融合させたネオンサイン調の作品を制作しているアーティスト。
架空の温泉街の看板を描いた「ゆのまちネオン」は、どこかで見かけたような懐かしさと近未来的な新しさ、ポップなかわいらしさも備えた不思議な世界観を生み出しています。
ネオン管はガラス管にネオンなどの不活性ガスを封入。電流を流して放電させて発光させるランプのことです。
ガスが発光することでやわらかな光を放ち、LEDでは表現できない妖しくも温かな雰囲気が特徴。最近、街ではあまりみかけなくなりましたね。
今回展示されている作品の一部は本物のネオン管を使用しているそうですよ。
「旧・目黒雅叙園」時代へタイムスリップ「清方の間」
古くから目黒区にお住まいの方なら「ホテル雅叙園東京」よりも、「目黒雅叙園」という名前の方がしっくりくる、という方も多いのではないでしょうか。
「清方の間」では「旧・目黒雅叙園」時代の貴重な写真や資料を展示。
文化財「百段階段」がどのように作られたのか、総合結婚式場として使われていた頃の姿や華やかな宴会場としての歴史などを紐解く内容となっています。
宴会場で出されたお料理の内容や飲み物などを紹介したパンフレットも展示。当時のメニューや値段などもわかります。
建物の装飾などに使われた金具など、“美術の殿堂”としての華やかかりし時代の「旧・目黒雅叙園」の様子をうかがい知ることができる大変貴重な機会。江戸時代からの行楽地となった目黒の歴史も感じられる内容でした。
「頂上の間」ではレトロカワイイ「日本全国 地元パン」の世界へ
最後のお部屋「頂上の間」では、文筆家である甲斐みのりさんの「日本全国 地元パン(エクスナレッジ刊)」の世界をご紹介。全国を旅しながら出会った地域に根付くパンを約500個収録した「地元パン®」への愛にあふれる一冊となっています。
会場では甲斐みのりさんが蒐集したパンの袋を展示。その土地ならではのどこか味わい深いパッケージデザインやタイポグラフィーを楽しめる展示でした。
上写真は「地元パン® ミニミニスクイーズ」と「地元パン® 文具」です。
地元パンのパッケージを精巧に再現。上写真の一番上に並んでいる食パンやサンドイッチのボックスは、中に入っているパンも本物そっくりに造形しているそうです。
その下に並んでいるのは文房具で、シールやクリアファイルセット、ミニレターセットなど、どれも思わずほしくなってしまうかわいらしさ。こちらはミュージアムショップで購入可能です。
企画展「懐かしく新しい“レトロ”を旅する 古今東西ニッポンの風景」は、2023年12月25日(月)~12月31日(日)はお休みしますですので、お出かけの際はお気をつけください。
【開催期間】2023年12月2日(土)~12月24日(日)/2024年1月1日(月・祝)~1月14日(日)
※2023年12月25日(月)~12月31日(日)は休館
【開催時間】11時~18時(最終入館17時30分)
【開催場所】ホテル雅叙園東京 東京都指定有形文化財「百段階段」
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「懐かしく新しい“レトロ”を旅する 古今東西ニッポンの風景」を楽しんだ後はカフェラウンジ「パンドラ」へ
![ホテル雅叙園東京のカフェラウンジ「パンドラ」](https://meguro.goguynet.jp/wp-content/uploads/sites/247/2023/12/pandora_gajyoen.jpg)
カフェラウンジ「パンドラ」
懐かしい日本の風景を楽しんだ後は、ホテル雅叙園東京のカフェラウンジ「パンドラ」でケーキを食べて帰ることにします。
クリスマスまでの期間、ホテルロビーや招きの大門の他、館内のいろいろな場所に美しいクリスマスツリーが飾られていて、とても華やかです。
家人は数量限定・季節のパルフェ「グラン・ショコラ・ムースと苺のパルフェ」に目をつけます。私は「スペシャルショートケーキ」をいただくことにしました。
ふわふわとした口どけのよいスポンジケーキ、滑らかな舌触りのホイップクリーム、そして極上の甘味とバランスの良い酸味・香り豊かな苺のケーキです。
そして、下の写真が「ショコラ・ムースと苺のパルフェ」です。
ビジュアル的ににはとてもシンプルですが、苺の甘酸っぱさとショコラ・ムースのほろ苦い甘さが、素晴らしいハーモニーを奏でます。
ともかく苺の香りが濃厚で、今まで経験したことがないおいしさでした。
お茶はティーポットでサービスしてくれるので、時間を忘れて久しぶりにゆっくり過ごせました。
ホテル雅叙園東京を代表するクリスマスケーキ「嘉山農園の苺ショートケーキ」は、ホールでの提供。家族2人では食べきれないと思ったのですが、今回「パンドラ」で苺のショートケーキを食べて、1人でも食べきる自信があると確信しました。
来年は必ず予約して食べてみたいです。
皆さんも、年末年始は「ホテル雅叙園東京」で素敵な時間を過ごしてみませんか。
■取材協力
ホテル雅叙園東京
↓「ホテル雅叙園東京」がある場所はこちらになります