【目黒区】こんこんと清水が湧く場所に祀られたと伝わる「清水稲荷神社」。清水稲荷通り商店街の中にあり、地元から大切にされています
目黒本町1丁目にある「清水稲荷神社」。学芸大学駅から徒歩約15分、「林試の森公園」に向かう途中、目黒通り「清水」の交差点から清水稲荷通りに入ったすぐ左手にあります。
小さいながらもいつ訪れてもきれいに、清々しく整えられていて、地元から大切にされているお社であることが感じられる神社です。
真夏でも枯れることなく清水が湧き出ていたことから社名の由来になったと伝わる「清水稲荷神社」
清水稲荷神社はもともとは現在の東急バス目黒営業所(車庫)の辺り(目黒通り沿い、「Factory&Labo 神乃珈琲」のお向かい)にあったそうです。
清水稲荷神社が祀られたのは1897年(明治30年頃)。目黒区教育委員会が設置した碑には、真夏の日照りが続き、雨が久しく降っていない時(旱天)でも、こんこんと清水が湧き出していたので、「清水稲荷神社」と名付けられたのではと書かれています。
京都伏見稲荷より御霊代を拝受し、社殿や鳥居を奉納
1923年(大正12年)に起きた関東大震災で被災された渋谷周辺の方々が、比較的被害が少なかった目黒や武蔵小山に移住を希望したとのこと(参照元:目黒区ホームページより)。
地主さんたちがその要望に応え、計画的な土地分譲を実施。その時「清水稲荷神社」に土地発展を祈念して京都伏見稲荷より、御霊代を拝受して、社殿や鳥居を奉納したのだそうです。
商売繁盛・芸能上達の他、縁結びにもご利益があるといわれる「清水稲荷神社」
その後、宅地開発などの影響もあり、1952年(昭和27年)に篠福太郎さんが土地を寄進し、現在の場所へ移築されました。
この時に太田喜八郎さんが鷹番小学校へ寄進した真影奉安殿(明治以降、学校に下賜された天皇・皇后の御真影(写真)や教育勅語謄本を納めていた建物)も移築して拝殿としたそうです。
家内安全や商売繁盛、芸能上達などの御利益とともに、縁結びの神として慕われており、初午(はつうま、2月最初の午の日で稲荷神社のお祭りの日)や9月の「地域まつり」、年末の「ふれあい感謝祭・楽市」など、商店街によるイベントも行われています。
「清水稲荷通り」という道の名前は、清水稲荷通り共栄会という商店街の方々が付けたもので、奉納されている旗の数が目黒区内にある稲荷社の中で最も多いとか。
こぢんまりとしたお社ですが、いつ訪れてもきちんと整えられていて地域の方々から大切にされているのがよくわかりました。皆さんもお近くにいらしたときはぜひ、お参りしてはいかがでしょうか。
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