【目黒区】恵比寿ガーデンプレイス内に誕生した「YEBIS BREWERY TOKYO」。「旧・ヱビスビール記念館」がバージョンアップしていました

旧・エビスビール記念館が「YEBIS BREWERY TOKYO」にリニューアル

サッポロビール株式会社が、2024年4月3日(水)に恵比寿ガーデンプレイス内にオープンさせた「YEBIS BREWERY TOKYO」。こちらはもともと「ヱビスビール記念館(旧・恵比寿麦酒記念館)」があった場所です。

ヱビスビールの歴史や楽しみ方が学べる施設として、試飲付きの有料見学ツアーも行われていました。「旧・ヱビスビール記念館」は2022年10月31日(月)から休館していたので再開を心待ちにされていた方も多かったのではないでしょうか。

ついに、「旧・ヱビスビール記念館」が「YEBIS BREWERY TOKYO」としてリニューアルオープン!そしてなんと、今回35年ぶりに恵比寿の地でビール醸造を復活させ、ミュージアムエリアとして装いも新たにバージョンアップして再開、というわけです。

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今回は目黒の歴史とも関わりが深いヱビスビールの歴史とともに、ミュージアムの見どころをご紹介していきましょう。

かつての工場の模型と懐かしい写真で圧倒される「BEER is JOURNEY」のコーナー

BEER is JOURNEYのコーナー

「旧・ヱビスビール記念館」が所蔵していた資料に加え、過去写真を探し出して街と共にあったヱビスの姿を再構築。天井までの壁3面を使ったコラージュで出迎えてくれる「BEER is JOURNEY」のコーナーです。

ビール工場の模型

中央には現在、恵比寿ガーデンプレイスとなっている旧・恵比寿工場の模型が展示されています。

古くからこの街で暮らしてきた方にとっては懐かしい写真が見つかるかも。ぜひじっくりと眺めていってくださいね。

ヱビスビールの原点は日本麦酒醸造会社、目黒の街を潤した“三田用水”との関わりを知る

エビスビールの歴史

ヱビスビールの歴史を写真とともにたどりながら、当時のパッケージや広告なども展示されている「BEER is HISTORY」のコーナー。その時代の暮らしや文化なども知ることができてなかなか興味深いです。

エビスビールの歴史を当時の広告・パッケージとともにたどる

ヱビスビールの原点である日本麦酒醸造会社が設立されたのは1887年(明治20年)のこと。醸造所は現在の目黒区三田周辺(旧・東京府荏原郡三田村)で、日本鉄道品川線(現在のJR山手線)の列車がすぐ脇を走っていました。

エビスビール誕生

ところで、ビールの醸造に欠かせない「水」の確保として“三田用水”が使われたことを皆さんご存じでしょうか。三田用水は1664年(寛文4年)に中目黒、大崎、三田などへ配水するためにつくられた「三田上水(玉川上水を分水)」が起源となっています。

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ビール醸造量が増えたことにより、水の確保が急務となった日本麦酒醸造。“三田用水”の整備や暗渠化に貢献するなど尽力しました。

現在も東京大学駒場キャンパス脇、山手通りに沿って残されている「三田用水」の痕跡を見ることができますので、お時間のある方はぜひ散歩がてらぶらりとしてみてはいかがでしょうか。

1936年(昭和11年)頃に「恵比寿ビール」から「ヱビスビール」へ表記変更

当時の表記は「恵比寿ビール」

レンガ造り3階建てのドイツ式近代的ビール工場が目黒村(旧・三山村)に完成したのは1889年(明治22年)。当時のブランド名は「恵比寿ビール」でした。

現在の「ヱビス」表記に変わったのが1936年(昭和11年)のこと。当初は大黒様をモチーフにした「大黒ビール」というブランド名にしたかったそうですが、すでに商標登録済みだったそうです。

ブランド名が「エビスビール」に

そこで同じ七福神の中の「恵比寿」に変更。今ではおなじみになった恵比寿様のマークがあしらわれた「ヱビスビール」となったわけです。

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本格的なドイツタイプのビールということもあり、その味は好評でしたが販売網の確保に苦戦。経営危機に陥った日本麦酒醸造の立て直しに尽力したのが馬越恭平さんです。

エビスビールブランド存続に尽力した馬越恭平さん

馬越恭平さんの銅像はいまも恵比寿ガーデンプレイスに置かれているので、ぜひ探してみてくださいね。

「ビヤホール」の文化は「ヱビスビール」が作った!?

恵比寿様のビアジョッキ

アイデアマンでもあった馬越恭平さん。その功績の1つが1899年(明治32年)8月4日にオープンさせた「恵比寿ビールBeer Hall」でした。

場所は現在の銀座八丁目で、横文字入りの新聞広告が話題に。ちなみに8月4日は「ビヤホールの日」にもなっています。

ビアホール最初のおつまみも展示

ミュージアムでは当時のビアホールで人気だったおつまみなども展示されています。

1903年(明治36年)には工場内にビヤホール「開盛亭」を開業。ビリヤード台やテニスコートなどもあり、大正10年ごろに閉鎖されるまで大繁盛だったそうです。

「恵比寿」という街の名前にもなったヱビスビール

恵比寿という街の名前はエビスビールから

恵比寿工場の脇に1901年(明治34年)、「恵比寿停車場」という名前の積み卸し専用駅が誕生。「恵比寿ビール」はそこからから各地へと出荷されていました。

その後周辺の人口が増え、1906年(明治39年)には渋谷よりの場所に旅客駅として「恵比寿駅」が誕生したそうです。

1928年(昭和3年)渋谷町渋谷の伊達跡などが「恵比寿通1・2丁目」と改称。これが「恵比寿」が使われた最初の地名、つまり、恵比寿という街の名は、ヱビスビールが発祥なのです。

恵比寿という地名が誕生

戦争を経て1964年(昭和39年)にサッポロビール株式会社へ社名変更。1971年(昭和46年)ヱビスビールが28年ぶりに復活します。

1985年(昭和60年)に恵比寿工場の敷地内に列車の中でヱビスビールが飲める「ビヤステーション恵比寿」が誕生しました。その後1988年(昭和63年)に千葉へと製造拠点を移し、再開発が始まったというわけです。

恵比寿工場跡地を大規模開発し「恵比寿ガーデンプレイス」が誕生

恵比寿ガーデンプレイスに生まれ変わった工場跡地

工場跡地を大開発し、「恵比寿ガーデンプレイス」が完成したのが1994年(平成6年)。初年度の来場者数は1,600万人を記録し、東京の新名所として大きな話題を呼びました。

恵比寿ガーデンプレイスが1994年に誕生

その後「旧・恵比寿三越」があった商業棟が「センタープラザ」として、2022年11月8日(火)にグランドオープン。

「YEBISU GARDEN CINEMA」も同日に再オープンしています。

今回の「YEBIS BREWERY TOKYO」オープンでますます賑わっている恵比寿ガーデンプレイス。お買い物やお食事はもちろんですが、GWのお出かけ先にも魅力的な場所ですね。

ぜひ、「YEBIS BREWERY TOKYO」のミュージアムで時間旅行を楽しんでみてはいかがでしょうか。

■取材協力

サッポロビール株式会社

↓「YEBISU BREWERY TOKYO」の場所は恵比寿ガーデンプレイス・センタープラザの奥になります。

Chikuwa

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