【目黒区】耳で楽しむ名作の世界、7月12日(土)に森鴎外・江戸川乱歩・小泉八雲作品の朗読公演が「日本近代文学館」で行われます

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最近、若い世代にオーディオブックの人気が高まっています。家事や移動時間を活用して「ながら聴き」ができるので、読む時間がなくても気軽に作品に触れることができるのもメリットの1つ。
プロのナレーターや声優による朗読なので聴きやすく、より深く物語の世界観に浸れるような気がしますね。今回は駒場公園内にある「日本近代文学館」で行われる朗読会のお知らせです。

(画像提供:ROUDOKU.TALKER.JP)
日本近代文学名作選をオーディオブックで届けている「ROUDOKU.TALKER.JP」の第7回の朗読公演「朗読タイムレスストーリーシリーズ」が2025年7月12日(土)に開催され、森鴎外・江戸川乱歩・小泉八雲の名作にひたれます。
朗読会で上演される作品、森鴎外・江戸川乱歩・小泉八雲について

江戸川乱歩は日本の推理作家、怪奇・恐怖小説家、アンソロジスト
江戸川乱歩といえば日本の探偵小説の基礎を築き、日本推理作家協会の初代会長も務めました。池袋の邸宅は終の棲家として長く暮らしたもので、没後は立教大学に寄贈。

旧江戸川乱歩邸(2025年5月撮影)
旧江戸川乱歩邸(大衆文化研究センター)として一般公開され、2025年5月には大規模改修を経てリニューアルオープンしたばかりです。メディア向けの内覧会では声優・吉野裕行さんが、朗読劇「幽霊」を上演し、参加者を魅了しました(引用元:貸切バスの達人「バス観光マガジン」より)。
また、「耳なし芳一」や「雪女」などの怪談の著者として知られる小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、アメリカで新聞記者をしていた時代に日本文化に魅了されて来日。島根県松江市で英語講師となり、その後松江の士族の娘・小泉セツと結婚して日本に帰化しました。
八雲が愛した旧居は「小泉八雲記念館」「小泉八雲旧居(国指定史跡)」として松江市に残されています。
朗読会で取り上げられるもう1人の人物、森鴎外は小説家・評論家・翻訳家・教育者・陸軍軍医・官僚として活躍。「舞姫」や「阿部一族」、「ヰタ・セクスアリス」などの代表作があります。
池之端にあった鴎外の旧邸は、ゆかりのある根津神社に移築。クラウドファンディングで資金を集め、2025年6月に完了しました。
この他、福岡県北九州市や島根県津和野町にも旧宅があります。
朗読公演を主催する「ROUDOKU.TALKER.JP」とは
オーディオブックや朗読公演を定期開催している「ROUDOKU.TALKER.JP」。
主に明治、大正、昭和時代の小説や随筆作品を「声」を通して呼び起こし、現在と交流させる「ROUDOKU.TALKER.JP」。オーディオブックの他に朗読公演を日本近代文学館で定期開催しています。
それぞれの作家が、その時代に紡いだ「ことば」に込めた思いとは何だったのか。この時代に、その「ことば」を聞くことはどういう体験なのか。
いま、私たちが話さない「ことば」、いまも、暮らしのなかで話す「ことば」、それぞれの作家が、その時代に紡いだことばに込めた思いとはなんだったのかを体験するひと時を提供しています。
日本近代文学館で7月12日(土)開催の「朗読タイムレスストーリーシリーズ(7)」概要
「朗読タイムレスストーリーシリーズ」は主に明治、大正、昭和時代の小説や随筆作品を、朗読を通して現在に描き出す朗読公演。2023年7月「山本周五郎『季節のない街』」から始まりました。
その後、徳永直、岡本かの子、森鷗外、宇野浩二、中島敦、芥川龍之介、菊池寛、宮沢賢治、北原白秋、太宰治などの作品を、目黒・日本近代文学館にて上演。本公演はその第7弾となります。
朗読を担当するのは女優・ナレーターを務める長尾奈奈さん。朗読する作品は森鴎外「ぢいさんばあさん」、江戸川乱歩「モノグラム」、小泉八雲「雪女」となります。

(画像提供:ROUDOKU.TALKER.JP)
森鴎外「ぢいさんばあさん」
文化六年の春、ある邸に隠居所がつくられ、老夫婦が暮らし始めた。二人は仲睦まじく、「あれは夫婦ではあるまい兄妹だろう」という者もあった。
そんな評判の夫婦には、実は三十余年の長きにわたり会うことも叶わず、それぞれに歳月を過ごしていた過去があった……。
文豪にして陸軍軍医総監としても知られる森鴎外。長い歳月を経て再開する夫婦の姿を描いた名作です。
江戸川乱歩「モノグラム」
失業時代に公園で、ある男から「どっかで御目にかかりましたね」と言われた老守衛の栗原。話をしても接点が見つからないが、ふとした瞬間に、見覚えがある様な気がしてきて……。
推理・探偵小説の世界を広めた江戸川乱歩の異色作です。
小泉八雲「雪女」
ある村に、茂作と巳之吉という木こりがいた。冬の日、いつものように森へ出かけた二人は、帰り道で大吹雪にあい、近くの小屋で夜を明かすことにする。
ようやく眠りについた巳之吉であったが、顔に降りかかる雪で目を覚ますと、部屋の中に白装束の女がいて……。
日本の古典や文化を世界に紹介した小泉八雲。その代表作でもある「雪女」を“プロの声”で臨場感たっぷりに楽しみます。
朗読 長尾奈奈
仲代達矢主宰の無名塾に二十四期生として入塾した長尾奈奈さん。同年『セールスマンの死』で初舞台。以降、舞台、映画と活動の幅を広げています。
主な出演作に、ヴァンニャ・ダルカンタラ監督によるベルギー・フランス・カナダ合作映画『KOKORO』、木村文洋監督による『息衝く』など。
また声の仕事には、佐藤大介監督『狭霧の國』があり、オーディオブック声の書店「日本近代文学名作選」(audiobook.jp)のナレーションも務めています。
声にのせてよみがえる日本文学の名作たち。時を越えたその響きを、ぜひ会場でご堪能ください。
【開催日時】2025年7月12日(土) 14時30分開演(14時開場)
【開催場所】日本近代文学館(駒場公園内)
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「日本近代文学館」は、京王井の頭線・駒場東大前駅西口から徒歩約8分のところにある駒場公園内に、1967年(昭和42年)にオープンしました。
小説家・詩人の高見順や日本近代文学の研究者である小田切進などが文壇・学会有志に呼びかけ、約15,000人の人から資料の寄贈を受けて開館。川端康成や太宰治、夏目漱石、芥川龍之介、島崎藤村、石川啄木、樋口一葉、有島武郎など、日本近代文学を代表する作家たちの手稿や原稿、図書、雑誌など約120万点を所蔵しています。
朗読会当日は日本近代文学館にて、「教科書のなかの文学/教室のそとの文学Ⅲ―森鷗外「舞姫」とその時代」の展覧会が開催中です。ぜひ、あわせてお楽しみください(別途入館料が必要)。

日本近代文学館
■情報提供
↓「朗読タイムレスストーリーシリーズ(7)」が開催される「日本近代文学館」の場所はこちらになります。