【目黒区】芝生広場や歴史的建造物、庭園に癒される「駒場公園」。春は桜のお花見の穴場となっています

駒場公園(旧前田家本邸)案内図

京王井の頭線・駒場東大前駅から徒歩約8分のところにある駒場公園。2025年(令和7年)に東京都の名勝に指定されています。

加賀百万石(現在の石川県)16代当主だった前田利為(としなり)侯爵の本邸の跡地にできた公園。1967年(昭和42年)に開園し、1975年(昭和50年)4月から公園管理が目黒区に移管されました。

敷地内には旧前田家本邸和館・洋館・日本近代文学館があり、すぐ近くには旧駒場農学校跡地を活用した「駒場野公園」も。

農学発祥の地「ケルネル田んぼ」
駒場野公園は京王井の頭線・駒場東大前駅から徒歩約3分のところにある緑豊かな公園です。すぐ近くには加賀百万石の当 …

駒場公園周辺には「日本民藝館」もあるので、時間があればじっくりと周遊してみるのもおススメです。

加賀百万石当主、前田利為侯爵とは?当時の華族の暮らしを偲ばせる優雅な建物

駒場公園

正門・門衛所(重要文化財)

前田利為公は前田家の当主の中ではたった1人の養子。15代当主・前田利嗣(としつぐ)公の1人娘・渼子(なみこ)と結婚することを条件に分家である旧七日市藩前田家から入籍しました。

大名出身の華族、陸軍軍人、芸術・美術工芸品を愛する文化人でもあった前田利為公は、美術館設立を視野に入れ、公務の合間に数々の美術品を収集していたそうです。

2021年には目黒区美術館で前田利為公が愛した近代美術コレクションを紹介する「前田利為 春雨に真珠をみた人」が開催されていたので、足を運んだ方も多かったのではないでしょうか。

国指定重要文化財に指定されている「旧・前田侯爵邸 洋館」

前田利為公が1926年(大正15年)に、本郷から駒場(東京帝国大学農学部実習地)へ移転を決意。1929年(昭和4年)に完成したのが洋館です。

旧前田本家 洋館

本郷邸は広すぎて生活に向かないと考えた利為公。駒場本邸では質素な暮らしを望んだといいます。

留学や駐在武官としてヨーロッパ滞在の長かった前田利為公のために、内外の賓客をもてなすのにふさわしい邸宅として宮内省内匠寮工務課技師の高橋貞太郎さんが設計。外観はイギリス貴族の館であるカントリーハウス風の意匠で、伝統的かつ重厚なチューダー様式でまとめています。

外装は石川県小松市産の凝灰岩である大華石(たいかせき)やスクラッチタイルで装飾。1階は晩餐会を行う重要な社交の場として使われ、2階は家族の生活の場として使われたそうです(参照元:東京都生涯学習情報ホームページより)。

終戦後、1945年(昭和20年)に連合軍に接収されますが、富士産業(旧中島飛行機)の手を経て、1956年(昭和31年)に和館及び一部の土地が国の所有となり、翌年、ようやく接収が解除となりました(参照元:目黒区ホームページより)。

建物の内部は一般公開されており、多少手を加えられたところはあるものの、暖炉や天井に付けられているシャンデリアなどはほぼ建築当時のままで、華麗な侯爵家の生活を垣間見ることができます。

こちらの洋館で2026年3月15日(日)に、目黒区在住のHanaさんが主催するクラシックコンサート「不滅の恋人へのオマージュ」が開催予定。

クラシック奇談 クラシックコンサートのお知らせ
京王井の頭線・駒場東大前駅から徒歩約8分のところにある駒場公園内にある旧前田家本邸 洋館(国指定の重要文化財) …

国内外の賓客をもてなしてきた華やかなりし時代の空気を、素晴らしい演奏とともに楽しむことができますよ。

「旧・前田侯爵邸 洋館」の庭

洋館の車回し

洋館の車回し

洋館の南側には芝庭があり、かつては園遊会などが開かれたり、侯爵のご家族が乗馬やスキーを楽しんだりしたといわれています。

洋館の玄関周りと、南の芝庭などの庭園とを区切る塀

洋館の玄関周りと庭園を区切る塀

洋館の玄関周りと南の芝庭などの庭園を区切る塀が残されており、洋館同様、大華石やスクラッチタイルなどで装飾。門扉・鉄柵・パーゴラ・腰掛などは失われてしまっており、こちらの壁が当時の名残を残すのみです。

洋館と渡り廊下で繋がる「旧・前田侯爵邸 和館」

1930年(昭和5年)に完成した木造2階建ての近代和風建築の和館は、外賓に日本文化を伝える迎賓施設として使われました。帝室技芸員の佐々木岩次郎さんが設計し、茶室待合は木村清兵衛さんが担当したそうです。

旧・前田利為公 和館門

和館門及び塀(重要文化財)

洋館とは渡り廊下で繋がっており、こちらも国の重要文化財。外観は、玄関側の北面は破風屋根が重なる重厚な意匠、庭側の南面は京都の銀閣寺を思わせる姿となっています。

玄関から二の間、一の間(表座敷)と続く広間や、重厚な床の間、違い棚、付書院、欄間の透し彫などを備えた美しいつくり。戦後は一時期、連合国軍GHQ司令官の住宅などに使用されましたが、内外ともに創建時の状態を良く留めており、大大名家であった前田家の高い格式を感じさせる造りです。

水屋、寄付、待合所を備えた茶室や和室も有料施設として利用可能で、縁側からは、流れのある池、芝や池の配置がみごとに調和した池泉庭園を楽しむことができますよ。

駒場公園内にある「日本近代文学館」は1967年(昭和42年)にオープン

日本近代文学館

日本近代文学館

「日本近代文学館」は旧前田家本邸 和館の北側にあり、近代文学に関する資料がどなたでも閲覧できるようになっています。小説家・詩人の高見順や日本近代文学の研究者である小田切進などが文壇・学会有志に呼びかけ、約15,000人の人から資料の寄贈を受けて開館。

川端康成や太宰治、夏目漱石、芥川龍之介、島崎藤村、石川啄木、樋口一葉、有島武郎など、日本近代文学を代表する作家たちの手稿や原稿、図書、雑誌など約130万点を超える資料を所蔵しています。

明治以降の日本の近代文学に関する資料を多数所蔵

中でも「太宰治文庫」は1987年、1997年、2014年の3回に及ぶご遺族からの資料寄贈があり、原稿・草稿をはじめとする計423点に及ぶ資料は、他の追随を許さぬ研究資料の宝庫に。太宰ファンにとってはぜひ足を運びたい場所ですね。

日本近代文学館2階ホールで年3回行われているROUDOKU.TALKER.JP主催の朗読公演「朗読タイムレスストーリーシリーズ」は、日本近代文学名作を”耳”で楽しめるイベント。実際に足を運びましたがとても楽しかったです。

「朗読タイムレスストーリーシリーズ」
日本近代文学名作選をオーディオブックで届けている「ROUDOKU.TALKER.JP」。第7回の朗読公演「朗読 …

直近では2026年4月11日(土)に公演予定。詳細が決まりましたら、またこちらでもお知らせしますね。

BUNDANカフェ

BUNDANカフェ

日本近代文学館に併設されている「BUNDAN Coffee&Beer」は、文学好きにはたまらないスポット。文学作品にちなんだメニューや作家の名前のついたコーヒーをゆったりと楽しみながら読書もできますよ。

目黒川だけじゃない!春は桜の名所として超穴場の駒場公園

駒が公園はお花見の穴場

洋館の南側に広がるお庭は、現在「草はら広場」として子どもたちが駆け回る開放的なエリアとなっています。広い芝生でピクニックを楽しむ、散策路をゆっくりと歩くなど、都内とは思えないゆったりとした時間が流れているのを感じます。

豊かな森が広がる散策路

そして、この広場を取り囲むようにソメイヨシノが植えられており、春は迫力満点の景色が楽しめるのを御存じでしたか?先日、みどり土木政策課を取材した際、目黒川沿いの桜もいいですが、こちらの桜も絶景で素晴らしいと推薦していただきました。

目黒区というとどうしても目黒川沿いの桜に集中してしまいますが、少し外してゆったりとお花見を楽しめる駒場公園は超穴場かもしれませんね。

石灯篭が立ち並ぶ散策路

「草はら広場」の脇には小さな遊具広場もあります。また、散策路には巨木や石灯籠などをあしらった和風のしつらえもあり、優雅な気分でお散歩も。

忙しい日々をリセットしに、ぜひ足を運んでみては?

駒場公園
住所
東京都目黒区駒場四丁目3番55号
最寄り駅
京王井の頭線 駒場東大前駅(西口)
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※情報は取材当時のものです。来店の際は公式情報をご確認ください。

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