【目黒区】目黒川船入場は地元民の憩いの場!見えないところで災害時の備えという役割も果たしていました
中目黒駅から目黒川沿いに目黒駅方面へ7分ぐらい歩いていくと到着する目黒川船入場(ふないりば)。都会のど真ん中というのを忘れてしまうほど、のんびりとした景色が広がっています。
目黒川船入場は治水を目的とした地下箱式調節池となっており、その上は広場や公園として整備。キッチンカーが訪れたり、フリーマーケットなどのイベントも開催されています。
今回は目黒川船入場の歴史や役割などをお伝えしつつ、お花見スポットとして人気のポイントなどもご紹介していきます。
「目黒川船入場」は船発着場の名残り、現在は目黒川の治水として活躍中
目黒区ホームページによると、多くの支流が集まる目黒川周辺はたびたび洪水に見舞われてきたといいます。このため、大正時代に治水目的とともに船が運航できる運河にする計画が立てられ、1937年(昭和12年)に完成。
目黒川船入場は船の発着場として整備、利用されていたようです。よく見ると、川の中に規則正しく並ぶ石が見えます。
この石は水の流れを整える仕組みがあるそう。水上運送の衰退とともにその役割を終え、今では水鳥や亀が憩う、癒しの風景が広がっています。
運河として整えられた際に、蛇行していた目黒川は現在のように真っすぐに。しかしその後も大雨が降ると、度々洪水を起こすことがありました。
そこで目黒川船入場に東京都が洪水調整池を地下に設置。大雨が降り、高水位を超えると自動的に調節池へ水が流れ込む仕組みが護岸に設けられています。
目黒川船入場は都内で最初に整備された地下箱式調節池だそうで、1990年(平成2年)に完成し、1991年(平成3年)から供用開始。その後、2016年(平成28年)までの間に9回の流入実績があるそうです。
「目黒川船入場」の歴史を伝える「川の資料館」は2012年に閉館
目黒川船入場の上に整備された公園には、レンガ造りのレトロな建物がありました。こちらは、川に関する資料などを集めた「川の資料館」だったようです。
資料館では調節池の模型が展示され、治水の仕組みがわかりやすく紹介されていた様子。資料館からの桜の眺めも素晴らしかったようで、お花見の隠れた穴場だったのかもしれません。
「目黒川船入場」調節池の上は目黒区が公園として整備
川の資料館もそうですが、目黒川船入場・調節池の上はレンガを使った広場として市民の憩いの場となっています。こちらは目黒区が整備したそうです。
広場から川へと降りる階段が設けられており、所々にベンチなども置かれています。
階段を降りると、水が流れる壁。夏は涼しく過ごせそうです。
戦前はホタルが飛び交う清流だったという目黒川。染物屋が色鮮やかな友禅流しをしていたといいます。いまではちょっと想像がつきませんね。
都市化が進み、排水路として水質汚染が進んでしまった目黒川。その後、清流復活事業が行われ、新宿区落合にある落合水再生センターできちんと処理をして、排水するという努力がされたため、今の姿を取り戻したと看板に書かれています。
広場内には「目黒川 清流の復活」という碑が建てられていました。
最近では水流が増えており、鮎の稚魚が放流されたりしているようです。2018年には目黒区の主催で「いきもの発見隊」を開催。目黒川で鮎を捕獲したとあります。
目黒川船入場はカワセミやシラサギ、アオサギなど生き物が暮らす水辺として、お散歩を楽しむ方から愛されているスポットとなっています。
「目黒川船入場」は地域コミュニティ活性化の場として活用中
目黒川船入場の広場を使って、地域コミュニティ活性化を目指す取り組みが2021年11月から始まっています。河川管理者である東京都から占用主体として河川空間のオープン化の特例による占用許可を目黒区が受けました。
(一社)中目黒駅周辺地区エリアマネジメント(NAM)が目黒区と使用契約を結び、フリーマーケット開催やキッチンカーの出店を企画するなど、さまざまな取り組みが行われています。
私が訪れた際も地元飲食店等によるキッチンカーが出店しており、ランチのテイクアウトに訪れている方を見かけました。
(一社)中目黒駅周辺地区エリアマネジメント(NAM)は、中目黒駅周辺地区街づくり協議会(住区住民会議・町会・商店会・公募区民などで構成)を母体として発足した「なかめスタイル」に基づくまちづくり活動を行う会社。
目黒区と連携しながら、住みやすく活気のある魅力的な街づくりに取り組んでいます。
目黒川船入場へのキッチンカー出店は、コロナ禍で営業に苦しむ地元飲食店支援を目的とし、テイクアウト販売支援を行うために企画されたものです。また、地元飲食店のキッチンカーでは、新型コロナウイルス感染症対策・医療従事者支援のための募金活動も実施。
これからも目黒川船入場の魅力向上や地域との交流・連携の場として中目黒を盛り上げていく活動を行っていくそうですよ。
お花見スポットとしても人気の高い「目黒川船入場」
目黒川船入場周辺にももちろん桜の木がたくさんあります。春になるとこちらもお花見を楽しむ方で賑わうことでしょう。
今年も残念ながら中目黒桜まつりは中止。夜桜のライトアップやボンボリ設置も行わないことが決定しています。
その代わりに、桜まつりのシンボルであるボンボリをモチーフにした「ナカメのぼんぼり」が発売スタートしました。
【目黒区】中目黒の「目黒川桜まつり」のシンボルを本物そっくりのキーホルダーに!目黒工芸社の“ナカメのぼんぼり”が2月25日(金)から発売開始
ナカメのぼんぼりの売上げの一部は、「目黒のサクラ基金」に寄付されるそうです。目黒川の美しい桜の景観は、目黒区にとっても大切な財産。大切に守っていきたいものですね。
「ナカメのぼんぼり」にはライトがついているので、こちらを灯して目黒川船入場で夜桜気分を味わってみてはいかがでしょうか。
★目黒川船入場広場がリニューアルします!★
【目黒区】中目黒の目黒川船入場広場が2023年4月上旬にリニューアル、コワーキングスペース併設の「FUNAIRI-BA(フナイリバ)」として新しいコミュニティ拠点に
↓「目黒川船入場」の場所はこちらになります。