【目黒区】寿司とワインのペアリングが個室でゆったりと楽しめる「ALISO(アリソー)」ができるまで、オーナーの綱嶋恭介さんにインタビュー
「寿司とワイン」のペアリングが楽しめる「サンフランスシコ」と、完全個室・会員制「ALISO(アリソー)」が学芸大学にオープン。前編では「ALISO(アリソー)」で提供されているお料理コースとワインについてご紹介しました。
【目黒区】大人気店「サンチャモニカ」の姉妹店「サンフランスシコ」が学芸大学にオープン。2階は完全個室・予約制の「ALISO(アリソー)」として9月15日(木)グランドオープンしました
後編ではオーナーである綱嶋恭介さんにインタビュー。「ALISO(アリソー)」オープンまでのいきさつや、楽しいネーミング(?)についてもお話をうかがいました。
「塚田農場」や「四十八漁場」などを手掛けるエー・ピーカンパニー出身の綱嶋恭介さん
綱嶋恭介さんの前職は株式会社エー・ピーカンパニーで、執行役員まで務めた方。まだ30代と若手ながら、学生時代から飲食店でアルバイトを重ね、さまざまな店舗で店長を歴任してきました。
株式会社エー・ピーカンパニーを辞める直前、やや客単価の高い“ミドルアッパー業態(1人当たり5,000円~1万円)”の事業部を取りまとめるポジションに就いた綱嶋さんは、ワインソムリエの資格を取得。
会社はそのお店を子会社化し、社長として綱嶋さんに就任してほしいと考えていたそうです。
しかし、いずれは独立起業し、自分のお店を持ちたいと考えていた綱嶋さんは悩んだ末、退職を決め、初めての店舗となる「酒ワイン食堂 今日どう?」を経堂にオープンさせました。
「酒ワイン食堂 今日どう?」が目指したのは地域密着型、ワインをリーズナブルに楽しんでもらえるお店に
綱嶋さんがワインソムリエの資格を取った後、お客様が意外にワイン選びに迷っている姿を実感したといいます。
ワインは飲みたいけど、何をどう選び、おつまみやお料理に合わせたらいいかわからない。
そこで「酒ワイン食堂 今日どう?」では、グラス1杯500~700円ぐらいで気軽に楽しめるものをラインナップ。日本酒も同様に同じような価格帯で揃え、わかりやすさと手頃さを重視したそうです。
経堂には焼き鳥店や魚のおいしいお店が多かったため、地域にないもので求められそうなものを考えた結果、煮込み串をメインにした和洋ミックスの酒場メニューを展開。
“大人のファミレス”をコンセプトにし、日常使いしてもらえるようにリーズナブルな価格帯を目指したところ、これが大当たり。家族連れから1人客まで幅広い層が訪れる人気店になりました。
2店舗目は寿司とワインのカジュアルな酒場「サンチャモニカ」を三軒茶屋に
1店舗目の「酒ワイン食堂 今日どう?」が順調なすべり出しで、早くも2店舗目を出店することに。場所は経堂と同じ世田谷区内であり、有名な飲食店が多い三軒茶屋。
三軒茶屋には高級寿司や昔ながらの寿司店、回転寿司はあるものの、その中間ぐらいの価格帯で気軽にお寿司をつまみながらお酒が飲めるお店がないことに注目したそうです。
意外にハードルが高いと思われているワインをもっと気軽に飲んで欲しいという想いと、お寿司はワインと相性が良いということを実感した結果、「寿司とワイン」のお店として「サンチャモニカ」をオープンさせました。
前編の「ALISO(アリソー)」でご紹介したようなコース料理をもっとカジュアルにしたすしコース。アラカルトでつまみながら気軽に飲めるメニューの二通りの使い方ができ、しっかりとしたお寿司をカジュアルに楽しめるお店を目指しました。
「寿司にワインを合わせるのではなく、ワインに寿司を合わせる」という発想で作られるメニューは、これまでにないユニークなお寿司を次々と生み出しました。
綱嶋さんに伺ったところ、逆発想もあるとおっしゃっていましたが、実際にいただいたお寿司はかなり斬新なものばかりだなと感じました。
3店舗目は学芸大学の2階建て物件、1階に「寿司とワイン サンフランスシコ」、2階に「ALISO(アリソー)をオープン
「飲食店では2階建て物件というのは、オペレーションが難しく、人件費もかさんでしまうため、あまりやりたがらないことが多いんです」と綱嶋さん。
しかし、あえて飲食店にとっては不利な2階建て物件でチャレンジし、コストを抑えながらどのように運営していくかを考えた末、できたのが完全個室・非接触型の店舗「ALISO(アリソー)」でした。
「実は、サンチャモニカには45席あるのですが、半個室の席もいくつかあり、予約で指定されるお客様が多かった。
ゆっくり話をしたいので個室がいい。コロナ禍でさらに他のお客様との接触をなるべく少なくしたいから個室がいいというニーズが高まっているのを感じました。
それならばと、2階はすべて個室にしてお客様が自分たちのプライベート空間で安心してくつろげるシステムにしよう」と考えた綱嶋さん。
個室にするのはよいが、スタッフの接客をなるべく減らし、コストを抑えて、手間を省きつつも上質なサービスは提供したい。そこで考えられたのがコース料理のみでドリンクは自分たちで自由に楽しんでいただくという「ALISO(アリソー)」のスタイルでした。
本来ならスタッフが説明するお料理やワインをYouTubeの映像を流す。こちらも1か月半かけて試行錯誤しながら、最終的にベストな方法として落ち着いたそうです。
メニュー表にはお料理に番号を振り、おすすめのワインには同じ番号のタグをつけ、味わいを説明するラベルを付けています。
お客様はその情報を頼りにお料理に合うおすすめのワインを簡単に選べるという仕掛け。
自分たちのペースで、お店の人に気兼ねすることなく自由にお酒が飲めるのは意外に快適でした。
お部屋にはBluetoothも完備されているので、お客様は好きな音楽を自由にかけることもできます。まさに自分たちだけのプライベートな空間で非日常が楽しめるというわけです。
お子様連れでもおいしいお寿司とワインが楽しめるのは個室ならでは
小さいお子様連れだと、周りのお客様に気兼ねしてしまい、ゆっくり食事ができません。また、来店できるお店も制約があります。
しかし、「ALISO(アリソー)」なら完全個室ですし、家族だけで過ごせるのでお子様を目配りしながらおいしいお寿司とワインが楽しめます。法事や家族のお祝い事、お誕生日など、特別な日を過ごすのにぴったり。
現在は大人向きのコース1種類ですが、ぜひお子様向けのメニューも用意してくれたら嬉しいと感じました。綱嶋さんもお店のオペレーションなどが落ち着いてきたら、前向きに検討するとおっしゃっていたので、楽しみですね。
なぜ、「サンチャモニカ」や「サンフランスシコ」?
最後にお店のユニークなネーミングについて尋ねてみました。
1店舗目の経堂にある「酒ワイン食堂 今日どう?」もそうですが、三軒茶屋で「サンチャモニカ」、学芸大学で「サンフランスシコ」「ALISO(アリソー)」となかなかユニークな店名です。
こちらは綱嶋さんご自身が考えたわけではなく、ご友人の発案。
「店名がサンチャモニカやサンフランスシコなんで、お客様から“カリフォルニアロールはないの?”と必ず聞かれます」とのこと。皆さん、メニューにはありませんので、どうかお店で聞かないでくださいね。
ちなみに「ALISO(アリソー)」も“ありそうで、なさそう”というニュアンスでつけられているそうですよ。
エー・ピーカンパニー時代に最も苦しかったのは「四十八漁場」を担当していた時期だったといいます。この時、絶対的に不利な条件や状況に追い込まれたとき、負けない方法を学んだという綱嶋さん。
飲食業界の常識を覆すようなユニークな発想で、地元から愛される地域密着型のお店を次々と成功に導いてきました。今度はどの町で綱嶋さんのお店に出会えるのでしょうか。
「ALISO(アリソー)」は、完全個室・会員制ですがとてもリーズナブルにワインとお寿司が楽しめます。公式ホームページから会員登録・予約できますので、ぜひお気軽に利用してみてはいかがでしょうか。
■取材協力
↓ALISO(アリソー)がある場所はこちらになります。