【目黒区】自由が丘に唯一残る銭湯「みどり湯」で日常をリセット!地元から愛され続けている理由を調査しました
東急東横線沿線の中でも“洗練されたおしゃれな街”と人気の高い自由が丘。その北口から緑が丘駅へ向かって徒歩約7分ぐらいの場所に銭湯「みどり湯」があります。
今回はこの「みどり湯」のオーナーであり、アートギャラリー「gallery yururi」を経営されている清水智子さんにインタビュー!1957年(昭和32年)開業以来、今なお地元から愛され続けている「みどり湯」の魅力と人気のヒミツに迫りました。
清水さんで4代目!みどり湯の歴史を簡単におさらい
「みどり湯」を開業したのは初代・山田吉才門さん。昭和初期に銭湯経営を始め、自由が丘駅には「睦湯」「東湯」がありました。
「東湯」は1989年(平成元年)まで営業。場所は自由が丘駅南口降りてすぐのところにある山田ビルの2階で、現在は「バーミヤン」がある場所です。
この山田ビルの2階には24時間営業の「コインシャワー(みどり湯2号店)」があり、仕事帰りにさっとここで汗を流して帰られる方も多いそうです。「東湯」が閉業になる際に、地域の方々から『辞めないで欲しい』という声が多数あり、コインシャワーという形で残したそうです。
山田吉才門さんの息子である勉さんが二代目を継ぎ、昭和30年代には自由が丘に4軒、元住吉に1軒、東村山に2軒の計7軒を所有していました。そして1957年(昭和32年)に「みどり湯」を開業。
初代から知人に経営をお任せしてきた銭湯ですが、年齢を重ねて続けることが難しくなったと連絡を受けます。そこで3代目山田昇さんの娘である現オーナー・清水智子さんへ経営をバトンタッチ。
現在は清水さんのご主人が店長、御主人の弟さんが副店長を務め、自由が丘に唯一残されている銭湯文化を守り、受け継いでいます。
銭湯は1991年、2011年とリニューアルして快適に
瓦屋根に引き戸、昔ながらの店構えだった「みどり湯」がシンプルな現代風のたたずまいに変わったのが1991年(平成3年)のこと。その後、2011年にお湯を沸かす釜を重油式からガス式に変更しました。
また、お湯の消毒に使用する塩素を自動で投入する機械を導入するなど、随時効率化も図っています。みどり湯の裏側を含め、時代と共に変化はしてきましたが、お湯は今も変わらず一部地下水をくみ上げて沸かしているそうです。
男湯と女湯に分かれる中央には現代風にアレンジした番台。ここで入浴料を払って入ります。
番台の下はミニギャラリーになっており、みどり湯店長・清水裕(ゆたか)さんがディスプレイを担当しているそう。レトロな雰囲気にまとめられています。
女湯の脱衣所には昔懐かしいお釜タイプのコイン式ドライヤー。
綿棒などのアメニティグッズが用意されており、オーナーの細やかな気遣いを感じます。
手ぶらでふらりと訪れても大丈夫なように、タオルやシャンプー・リンス以外にも、スキンケアグッズや下着、靴下なども購入可能。
お風呂上りにはよく冷えたコーヒー牛乳片手に、休憩スペースでのんびりくつろぐのもいいですね。
★みどり湯のフロント&ロビーがリニューアルしました!★
【目黒区】自由が丘の銭湯「みどり湯」が11月14日(月)にリニューアルオープン、フロント・ロビーでポップアップイベントができるユニークなチャレンジを実施中!
ペンキ絵の富士山は2016年リニューアル!ライブペイントイベントを開催
銭湯の壁絵といえばペンキ絵!そして富士山が定番というイメージがあります。そして「みどり湯」の壁絵も富士山。
2016年当時、みどり湯では中島盛夫さんがペンキ絵を描く現場を実際に公開するライブペイントイベントを開催しました。
そして現在のペンキ絵を描いたのは日本で3人しかいない銭湯ペンキ絵師の1人、田中みずきさんです。
男湯には真っ白な雲の上に顔を出す勇壮な富士山。
女湯には輝くように美しいやわらかで温かみのある金富士が描かれています。
田中みずきさんは明治学院大学で美術史を専攻。2004年から修行を重ねて2013年に独立して今に至ります。3人しかいない銭湯絵師の最若手として、ペンキ絵の技術を引き継いでいる唯一のアーティスト。
みどり湯でお湯につかりながら、銭湯ならではのアート鑑賞もぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。
コロナ禍でも利用者はほとんど減っていない!銭湯は生活の一部
新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、緊急事態宣言が出されました。銭湯でも不特定多数の方が利用するとあって、みどり湯でもさまざまな対策が取られてきました。
特に密閉空間で密になりやすいサウナは、人数を制限するなど工夫されています。
私もたびたびみどり湯を利用しているユーザーの1人ですが、早い時間帯はご年配の方が、遅い時間は若い女性の方が多く、いつでも賑わっていました。
ご年配の方は少し回数を減らしている方もいらっしゃるそうですが、全体的な利用者は減っていないということでした。コロナ禍であっても皆さん、マナーを守りながら銭湯での入浴を楽しんでいるようです。
みどり湯開業当時に比べ、どの家にもお風呂があるという時代。それでも広々として快適な銭湯で、ゆっくりと手足を伸ばして入浴できるのは気分転換に最高です。
家でおいしいコーヒーが飲めるようになっても、カフェには行きたい!銭湯だって同じ。日本のお風呂文化の一つとして、街に欠かせない愛すべき場所として、受け継がれていってほしいもののひとつです。
銭湯のお隣はどなたでもレンタルできるお茶室とギャラリー
みどり湯のオーナー、清水さんのもう一つの顔はアートギャラリー「gallery yururi」の経営。これまでも数々のユニークなイベントを開催してきました。
「銭湯×アート×お茶室」の組み合わせは斬新!自由が丘という地の利もあり、展示会や物販などもよく行われています。
目黒区にお住まいの外国人の方は多く、みどり湯を利用されている方も少なくありません。そんな銭湯ファン、みどり湯ファンの1人であるフランス人のステファニーさんが、2021年3月26日(金)に銭湯イベントを開催します。
みどり湯のヒストリーや銭湯の仕事、そして普段はのぞくことができない銭湯の舞台裏見学も実施予定。この日は特別に男湯女湯の両方を見ることができる貴重な機会!ペンキ絵をじっくり鑑賞するチャンスでもあります。
基本はフランス語で行われますが、ステファニーさんは日本語もお話になるので、臆せず参加してみては?ぜひ、国際交流を楽しんでみましょう。
「gallery yururi」では目黒区の魅力を再発見するイベントも開催!
そしてもう一つ、「gallery yururi」が定期的に仕掛けているイベントがあります。目黒区の新たな魅力を発見をテーマに、地元の事業者さんを招いての楽しいアートイベント。
2月は目黒の地ビールを醸造する「マイスターブロイ目黒醸造所」の代表浅香さんと、庶民文化研究家である町田忍さんが描いたビートル(フォルクスワーゲン)原画展でした。
その時の様子はYoutubeにもアップ(浅香さん編・町田さん編)されていますので、ぜひご覧ください。
次回は目黒本町にある博水社さんとのコラボイベントが決定しました!“わるならハイサワー♪”というフレーズ、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。2021年4月24日(土)・25日(日)に「gallery yururi」にて13時~20時まで、ハイサワーや博水社の歴史がわかる展示が楽しめます。
創業90年以上、戦前からラムネ製造をしていたという博水社のこれまでの活躍を知るチャンスです。
自分たちが暮らす街で頑張る事業者さんを通して、新しい魅力や発見があるユニークなイベント。これからも定期的に開催する予定とのことなので、ぜひ「gallery yururi」のブログをチェックしてみてくださいね。
【イベント概要】
■DANS LES COULISSES D’UN SENTO DE TOKYO
開催日時:2021年3月26日(金)11時~12時30分(10時45分より受付開始)
場所:みどり湯
参加費:3,000円(当日支払い、1か月有効のみどり湯入浴券付き)
※日本語での問合せ可能(当日は主にフランス語での講演)
■gallery yururi×博水社イベント(中止になりました)
※緊急事態宣言により中止になりました。後日、Youtube配信の予定です。決まり次第URLをお知らせします。