【目黒区】創業93年、地元目黒で頑張るメーカーをご紹介!割るなら“ハイサワー”でおなじみ博水社社長にインタビュー

ハイサワーでおなじみの博水社目黒区の老舗メーカー「博水社(はくすいしゃ)」。お酒の割り材(清涼飲料水)“ハイサワー”が看板商品です。

今回は2021年に創業93年目を迎える博水社の三代目社長を務める田中秀子さんにインタビュー!コロナ禍で苦戦を強いられる飲食業ですが、ユニークな戦略で長く、そして大勢の方から愛され続けているその魅力をとことん取材してきました。

博水社の歴史はラムネやサイダーの製造が出発点

博水社の歴史

博水社の歴史は古く、1928年(昭和3年)に品川区で田中武雄商店としてラムネ製造を手掛ける会社として創業しました。その後、1954年(昭和29年)に目黒区目黒本町(武蔵小山)に工場を移転し、清涼飲料水を販売。

しかし、1961年頃になるとコカ・コーラなどのアメリカ飲料メーカーが日本に進出し、清涼飲料水を製造する国産メーカーは大打撃を受けます。都内に250軒あった町のジュース工場は次々と廃業。

博水社の事業も苦戦を強いられたそうです。

お酒の割り材として炭酸飲料に活路を見出し“ハイサワー”が誕生

お酒の割り材としてハイサワーに活路を見出す博水社

(写真提供:博水社)

そんな中、二代目社長・田中専一さんが二人の娘(1人は現社長の秀子さん)を連れてアメリカのロサンゼルスやサンフランシスコを旅行。そこで目にしたのは多種多様なカクテル類でした。

当時の日本で飲まれていたのはせいぜい日本酒とウイスキー、ビール程度。

『焼酎と清涼飲料水を使った日本ならではのオリジナルカクテルを提案できないか?』

帰国後さっそく、果汁を使ったお酒の割り材を試作。1980年(昭和55年)に“ハイサワー”が誕生したのです。

大手居酒屋チェーンが次々誕生し、焼酎需要拡大とともにハイサワーは人気商品に

その後、宝酒造が焼酎甲類で居酒屋に売り込みをかけ、大手チェーンが次々と誕生。ハイサワーにとっても追い風になります。

「わるならハイサワー」のCMが大ヒット

昭和世代なら芦川よしみさんが出演した『わ・る・な・らハイサワー』というフレーズのCMを覚えていらっしゃる方も多いことでしょう。自宅で酔いつぶれて寝ている旦那さんを奥さんが『お客さん、終点だよ!』と起こすコミカルな設定が人気を博しました。

ハイサワーオリジナルグッズ「ささやきグラス」

オリジナルグッズ「ささやきグラス」

博水社ではさまざまなオリジナルグッズを販売していますが、女性からいわれたいセリフをグラスに入れた「ささやきグラス」も販売。その中にCMで使われた『お客さん、終点だよ!』もしっかりラインナップされています。

ハイサワーは“吾輩(わがはい)のサワー”という意味、安全でおいしい果汁の使い方にこだわりが

ハイサワーは吾輩のサワーという意味

“ハイサワー”というネーミングの元になったのが『吾輩の作ったサワー』ということば。実はハイサワーは、”輩(はい)サワー”という名称で商標登録されています。

ハイサワーを代表するレモンは、イタリア・シチリア島産のレモンを使用。“ど真ん中製法”という、果肉の部分だけを搾汁したものを中心に使用しています。

“ど真ん中製法”は最初のひと搾りだけ使用するので搾汁率は30%程度。かなり贅沢な使い方です。

『レモンは契約生産農家から仕入れたものだけで、トレーサビリティがしっかりしているもの。果皮ごと絞らないことで残留農薬が混入する心配もありません』と田中さん。

人の口に入るものだから、できるだけ自然で安全なものにこだわるという先代からの想いを引き継いでいるそうです。

ロングセラーのポイントは“甘くない”炭酸飲料に仕上げていること

人気のヒミツは甘くない大人味

(写真提供:博水社)

ハイサワーがこれまで愛され続けているポイントはなんでしょうか。

『ひとつは甘くない炭酸飲料に仕上がっているところだと思います。果実のすっきりとしたフレッシュ感、強炭酸、お酒の名わき役として主役を引き立てるおいしさ。大人の炭酸飲料という位置づけが魅力なのではないでしょうか』

ハイサワーといえばレモンですが、他にも様々な味の割り材があります。グレープフルーツや梅などの果汁系以外にも、ダイエットやプリン体をカットしたヘルシー志向のもの、ビールテイストの割り材など、焼酎以外のお酒との相性も考えたラインナップです。

今ではダイエットを考えた清涼飲料水はポピュラーですが、最初はなかなか受け入れられなかったとか。それでも根気強く売り込み続けてきたのは、女性社長ならではの目線。

ユニークで柔軟な発想も、ハイサワーのロングセラーにつながっているのですね。

ハイサワーといえば“美尻(びしり)グッズ”!長寿テレビ番組「タモリ倶楽部」でもおなじみ

ハイサワーといえば美尻グッズ

ハイサワーといえばなんといっても”美尻”。毎年新作が制作され続けている「美尻ポスター」「美尻カレンダー」ですが、誕生のきっかけはテレビ朝日の人気長寿番組「タモリ倶楽部」です。

オフィスが狭いことから広い倉庫使って始まった社員同士の飲み会“倉庫宴会”。その話を聞きつけ、「タモリ倶楽部」の出演者メンバーが収録に訪れたことがありました。

番組内でハイサワーレモンを泡盛で割る飲み方を大絶賛してくれたおかげで、沖縄からも取り扱いたいという連絡がくるなど大反響だったそうです。

全国放送でその存在を知られることになった博水社。「タモリ倶楽部」に感謝の気持ちを込めて、誕生したのが美尻ポスターというわけです。

美尻ポスターはハイサワーを仕入れてくれている居酒屋へプレゼントしていたそうですが、大人気で3日目には盗まれてしまうという反響ぶりだったとか。

『そんなに人気ならカレンダーにしてみよう、ということで社内の女性社員だけで美尻グッズ部を結成しました。モデルさんのオーディションや水着選び、撮影まで、毎年和気あいあいと取り組んでいます』と田中社長。

次々誕生する美尻グッズ

いまではグラスやTシャツ、トランプ、マドラーなど、さまざまな美尻グッズが考案され、売れ行きも好調だそうです。

モデル選びのポイントは「日々トレーニングで鍛え上げられた女性も憧れる健康的で素敵な美尻」がテーマで、画像加工は一切せず、ありのままのお尻をそのまま見せるのがポリシー。

出来上がった美尻カレンダーはいまでも、毎年タモリさんにお届けしているそうですよ。

おうちで居酒屋気分!コロナ禍でハイサワーグッズが大活躍

おウチで居酒屋気分を満喫!

コロナ禍で東京都から、アルコール類の提供を自粛するよう通達が出され、飲食業界は大打撃。博水社でも売り上げに大きな影響を受けています。

そんな中、好調なのが博水社のオリジナルグッズ。ハイサワーの赤ちょうちんを購入して、家の玄関にぶら下げ、居酒屋気分で帰宅するというツワモノも!

おつまみを用意して居酒屋気分を味わえる美尻グラス

居酒屋で飲めるお酒をハイサワーで割った絶妙な黄金比を再現した「ハイサワー缶チューハイ」を2013年に発売。現在は強炭酸なので最後まですっきりおいしいレモンチューハイと、2019年に発売した沖縄シークァーサー×レモンのハイサワー缶プレミアムの2種類があります。

美尻グラスとハイサワーで居酒屋気分を味わおう

実際に飲んでみましたが、甘くなくておいしい!一般の缶酎ハイはジュースっぽくてあまり好きになれないのですが、こちらは果汁のフレッシュな味がそのまま活きていて、すっきりとした飲み口はガチの酒飲みに最高の味です。

美尻グラスでいただけば、おウチ時間も盛り上がること間違いなしですよ。

ハイサワーをそのまま飲めば、食事によく合うノンアルドリンクに!

ハイサワーにはワインの隠し味があり

最近ではディナータイムにノンアルコールビールやスパークリングワインを出しているところも増えていますね。

実はハイサワー、隠し味にワインを使っています。まろやかな口当たりを出すためにちょっぴり使用しているだけなので、アルコール度数は0.2%以下。

果実のフレッシュ感と甘くないすっきり味が楽しめるハイサワーなら、どんなお料理ともおいしくマッチしますね。お酒の割り材としてだけではなく、ぜひそのままでノンアルコールドリンクとして楽しんでみては?

ソフトドリンクでも博水社のこだわりが活きているレモネード

ソフトドリンク・ハニーレモネード

(写真提供:博水社)

博水社ではソフトドリンク「ハニーレモネード」も発売!コンビニエンスストアなどで最近見かけたという方もいらっしゃるのでは?

ハイサワーレモンで使用している真んなか搾り(R)レモン果汁ですが、それをさらにおいしくするために、濃縮しない状態でイタリア・シチリア島から凍らせて輸送。ほんのりはちみつを効かせたフレッシュ感たっぷりのレモネードに仕上がっています。

レモンの真ん中のみを贅沢に絞ったもの

(写真提供:博水社)

『輸送コストを削減するために、海外から果汁を輸入するためには一度に詰めて濃縮果汁の状態で輸入するのが通常です。でもこの方法ではどうしてもフレッシュな香りが損なわれ、焦げたような感じがでてしまうのです。

ちょっと贅沢ですが、せっかくレモンの真んなかだけを搾り、皮の苦みや雑味を取り除いたクリアな味わいをストレートに感じてほしくて。他のレモンを混ぜたりすることなく、搾りたてそのままのおいしさを産地から直送してもらっています』と田中社長。

こちらはアルコール分を一切含みませんのでお子さんでも安心して飲んでいただけます。夏はたくさん汗をかくので、おいしい熱中症対策にいいですね。

近くにハイサワーやハニーレモネードを扱っているお店がない場合は、公式オンラインショップへ。美尻グッズも手に入りますよ。

博水社の大胆な宣伝カー「ハイサワーボトルロケット号」

博水社のペット号

トラックの荷台に巨大なハイサワーペットボトルを積んだ特別な1台をつくってしまった博水社。街中で見かけたことがある方は超ラッキー!?

このトラックに積んだボトルにはなんと、通常サイズのハイサワーペットボトル1,800本分が入る大きさだそうですよ。このボトルを斜めに積むというアイデアは、飲食関係の方の『少し斜めにすると人の目を惹く』という一言から。

メニューなども少し斜めに貼ると目立つそうです。

こんな大胆な宣伝カーをつくってしまうとは、社長、太っ腹です。制作秘話はYoutubeでも公開していますので、ぜひご覧ください。

地域とのつながりとを大切に!「ハイサワー特区」

目黒区や品川区に広がるハイサワー特区

博水社の地元である武蔵小山(ムサコ)・西小山(ニシコ)。古き良き酒場風情を残すため【ハイサワー特区】を立ち上げ、不定期・期間限定でイベントを実施しています。

ハイサワー特区一覧

『博水社がハイサワーを開発する過程で地域の飲食店の方々から支えられ、育てられてきました。その感謝の気持ちを込めて2016年から始めたのがハイサワー特区です』

ハイサワー特区の居酒屋

ハイサワー特区のひとつ、紅葉屋さん

武蔵小山の再開発計画が始まり、昔ながらの飲食店が次々と姿を消す中、地元の居酒屋と手を組み、盛り上げていこうというこのイベント。キャンペーン中はわざわざ遠方から足を運んでくれる方もいたそうです。

現在はコロナ禍で開催もままならないイベントですが、落ち着いたらぜひ楽しみたいと思いました。

地元目黒に根差し、地域をともに盛り上げていく求心力になっている博水社。これからもユニークなイベントや楽しい情報発信を続けてくれることでしょう。

皆さんもぜひ、注目してみてくださいね。

博水社・社長インタビューは自由が丘の銭湯「みどり湯」お隣のギャラリー「yururi」で行いました。2021年4月24日・25日に開催する予定だった「銭湯×アートイベント~ハイサワーの歴史~」が緊急事態宣言のために中止。

【目黒区】自由が丘に唯一残る銭湯「みどり湯」で日常をリセット!地元から愛され続けている理由を調査しました

ギャラリーで紹介予定だったハイサワーの歴史はYoutubeにて動画配信されています。そちらもぜひ合わせてご覧ください。

■取材協力

博水社

2021/06/13 08:11 2021/06/13 08:11
Chikuwa

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