【目黒区】子育てや眼病に霊験あらたかと伝わる「油面高地蔵尊」。レトロと現代が混ざり合う「油面地蔵通り商店街」の中にあります

油面地蔵

油面地蔵

目黒区の町名からは姿を消してしまいましたが、かつての町の歴史や面影を残すユニークな「名前」がまだまだ残されています。「油面(あぶらめん)」もその一つ。

現在の中町1丁目、2丁目、中央町2丁目の一部がかつて「油面」と呼ばれていた場所です。今は小学校や商店街、公園、交差点、バス停などにその名前が残されているだけ。

今回はこの「油面」にまつわる話を紐解いてみました。

「油面(あぶらめん)」という地名の由来は、菜種油の栽培が盛んだったことから?

菜種油の栽培が盛んだった目黒

画像はイメージです

目黒はタケノコの栽培で有名だった土地柄ですが、「油面」と名の付く辺りは江戸時代中期頃に菜の花栽培が盛んだったそうです(参照元:目黒区のホームページより)。

【目黒区】目黒はタケノコの名産地だった!?碑文谷・すずめのお宿緑地公園の歴史

菜の花から取れた種から絞った菜種油は芝の増上寺や祐天寺の灯明用として使われていました。菜種油を奉納する際、絞油業者への租税が免除されていたらしく、「油製造により税が免ぜられている村」、すなわち「油免」がいつしか「油面(あぶらめん)」となったといわれています。

また「面」ということばには「村」を意味するという説もあり、単に「油のとれる村」という意味だとも。現在は交通の激しい目黒通りや「ニトリ 目黒通り店」「ライフ 下目黒店」などの大型商業施設もできて昔の面影を残すのは学校や商店街の名前ぐらいとなっています。

「油面地蔵通り商店街」の中にひっそりとたたずむ「油面高地蔵尊」

油面地蔵通り商店街入口

油面地蔵通り商店街入口

「油面」という地名を残す油面地蔵通り商店街。目黒通り沿いにある「ライフ 下目黒店」のお向かい、目黒警察署油面交番の脇道が商店街への入口となっています。

油面高地蔵尊

油面高地蔵尊

電車の最寄り駅は東急東横線・祐天寺駅(徒歩約18分)、路線バスなら目黒駅からバスで「元競馬場」前下車、徒歩約3分といったところ。交番脇から商店街を進むとパン屋さん「ブーランジェリージョリー」のお隣にあるのが「油面高地蔵尊」です。

こちらのお地蔵さん、もともとは目黒通り沿い(旧・二子道)、油面交番近くの小高い角地にあったそうですが、1934年(昭和9年)に道路拡張のため、現在の場所に移転したとのこと(参照元:目黒区教育委員会の立てた碑)。

油面子育て地蔵尊の碑

土手の上に2m以上もある高い地蔵が祀られていたことから「高地蔵」の名がつけられたそうです。

お地蔵さんを祀った脇には、地蔵尊を載せる台石に刻まれた(右面)「是より右ゆうてん寺」、(左面)「是より左九ほんぶつ」の文字が刻まれ、道標でもあったようです(参照元:目黒区ホームページより)。

お地蔵様は古くから子どもの守り仏として信仰されてきました。「油面高地蔵」も子育て地蔵として地域から親しまれており、また眼病にも霊験あらたかとしてお参りする方も多いそうです。

すぐ近くに目黒区立油面小学校がありますので、登下校する子どもたちの安全を見守り続けている、地元では身近な存在ということですね。

油面地区では毎年7月3日の夕方からお地蔵様のお盆供養「夏の油面 高地蔵尊まつり」を開催。模擬店なども出て賑わいます。

また、9月に斎行される大鳥神社例大祭では油面地蔵の水かけ祭が有名です。

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商店街の中には、以前取材した馬肉専門無人販売所「ONIKU STAND 目黒店」もありました。

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皆さんもお時間のある時はぜひごゆるりと散策してみてはいかがでしょうか。

↓「油面高地蔵」がある油面地蔵通り商店街はこちらになります。

2024/01/02 08:11 2024/01/02 08:11
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