【目黒区】築48年となる施設をリノベーション、池尻大橋「大橋会館」が複合施設として2023年8月18日(金)に開業
ホテル・研修施設として利用されてきた池尻大橋の「大橋会館」。東急田園都市線・池尻大橋駅から徒歩約4分という好立地で、道路を挟んで向かい側には銭湯「文化浴泉」があります。
2021年3月に閉館後、東急株式会社と領域横断的なクリエイターたちがタッグを組み、大規模リノベーションしました。
カフェ・バー・レストラン、シェアオフィス、シェア型のホテルレジデンス、サウナなどの機能が融合した複合施設として、2023年8月18日(金)に開業。メディア向けの内覧会が行われたので、取材してきました!
職・住・遊・食の機能が融合した新拠点、池尻大橋の「大橋会館」
「大橋会館」は東急株式会社が事業主とし、文化とビジネスの交差点における探究と実践を行う株式会社301が全体の企画・プロデュース・クリエイティブディレクションを手掛けたリノベーションプロジェクト。
各分野のプロフェッショナルであるクリエイターたちが集結し、「大橋会館」という建物の名前を引き継ぎつつ、街に開き、街と外をつなぐ複合施設としてリノベーションしました。
今回のリノベーションにあたり、どんな施設へと生まれ変わったのか、その狙いなどを東急株式会社 都市開発事業部 事業戦略グループ 主事・小池和希さんと、株式会社301のCEO/プロデューサー 大谷省悟さんからご紹介がありました。
デベロッパーとして街づくりを行う東急株式会社が「ソフトを重視」して行ったチャレンジ
池尻大橋は渋谷から東急田園都市線でひと駅という好立地。目黒川が近くを流れ、ユニークなカフェやショップ、ギャラリーなどが点在し、独自のカルチャーを生み出しているエリアです。
東急は現在、渋谷駅の大規模再開発を進めている最中で、渋谷駅周辺2.5㎞圏を「広域渋谷圏(Greater SHIBUYA)」として位置づけ、「働く」「遊ぶ」「暮らす」が融合した持続的に成長する街づくりに注力しています。
池尻大橋にある築48年の「大橋会館」のリノベーションを行うに当たり、ソフト面を徹底重視。
「大橋会館」を新しい地域の交流拠点と位置づけ、地域住民や働く人、街を訪れた人が自然に集まり、繋がりが生まれ、街が活性化していくような空間づくりを目指したそうです。
今回のリノベーションは期間限定・暫定活用になるということで、レトロな建物の外観・内観は出来る限り手を加えずそのまま生かしています。
インテリアなどもアンティークのもの、再生・再利用可能なものという視点で吟味・活用されているそうです。
その道のクリエイターたちが集結、得意ジャンルを生かしてプロジェクトを推進
「大橋会館」をリノベーションするにあたり、各ジャンルで活躍するクリエイターや企業が多数参画。1階から5階までの施設の空間設計・デザイン・サービスなどをどのように演出していくのかを話し合いながら、協調して進めてきました。
池尻大橋という街ならではのローカル色を読み解きながら、この街らしいカルチャーが感じられる施設としてプロデュースしています。
各フロアごとの施設についてダイジェストに紹介していきましょう。
「大橋会館」1階はカフェ・ワインバー・レストラン「Massif(マッシーフ)」とストア&スペース
1階にはカフェ・バー・レストラン「Massif(マッシフ)」がオープン。太陽の角度や時間の移ろいと共に表情が変化する山塊(Massif)のように、朝から夜までの利用シーンにあわせて、空間のグラデーションを楽しむことが出来ます。
お店を運営するのは日本橋小舟町のカフェベーカリー「Parklet(パークレット)」を手掛けた株式会社Terrainです。
朝は「Overview Coffee」のコーヒーとペストリーを提供。昼から夜は欧米料理を日本食材とテイストで表現したメニューと2,000本以上のワインを楽しめるレストラン&バーとして営業します。
そして、日米に拠点を構えるクリエイティブアソシエーション「CEKAI」が手掛ける多目的空間「CEKAI 大橋会館」。
ここではオリジナルプロダクト、飲料、大橋会館関連グッズの販売を行うストアと、作品展示やイベントを行うスペース、2つの機能を持ったマルチスペースです。
9月3日(日)までは「CEKAI DESIGN FIGHTERS」と題し、総勢10名のデザイナーによる大橋会館オリジナルTシャツの展示販売を行っています。
この他、中目黒のモダン・ネパールレストラン「ADI(アディ)」が制作したナイトウェアや大橋会館の記念ロゴTシャツ「blurhms ROOTSTOCK」を数量限定で販売中です。
こちらのお店へは「セブンイレブン 目黒東山3丁目店」横からもアクセスできます。
■1階内装設計:建築家・元木大輔氏率いる「DDAA」が担当
「大橋会館」の2階・3階はシェアオフィス
「大橋会館」の2階~3階はシェアオフィス。個人から40人規模のチームまでワークスタイルに合わせてフレキシブルにサイズを選べるオフィス空間で、個人事業主やフリーランス向けの専用ブース、固定デスクがあります。
上写真は1名で利用できるデスク。
こちらのブースはガラス越しに共有ブースが見渡せられるようになっており、ゆるやかに外とのつながりも感じられる空間として設計されていました。
共有ラウンジは仕事の合間や終了後、利用者同士が自由に過ごせて、大橋会館の仕事に従事するメンバー、レジデンスに住む人々も含めて「大橋会館」のコミュニティ的な役割を果たすスペースとしてデザインされています。
この他、自社オフィスとしての利用や来客スペース、展示会・撮影スペースとして貸出し可能な区画もあるそうですよ。
■2階共有ラウンジの設計:池尻大橋に拠点を置く「&Supply」が担当
「大橋会館」の4階・5階はシェア型ホテルレジデンス
最近多拠点生活を送りながら働く人が増えていますね。そんな方にぴったりなシステムが「泊まる」と「住む」が一体化した「ホテルレジデンス」。
1泊からの宿泊利用も可能で、シェアハウス感覚で暮らすように長期滞在もできます。
こちらの一番の特徴は最低1ヵ月から賃貸契約が可能。外泊する日を事前に申請し、第三者にホテルとして貸し出すと家賃が減額されるシステムとなっています。
1ヵ月で最大20日まで貸出可能。ホテルとして貸し出し申請すれば、実際にお客様が宿泊しなくても減額されるので、多拠点生活を送る方にとってはお得なシステムですね。
「ホテルレジデンス」入口手前にある「コリビング」。食事をするダイニング、ワーキングスペース、くつろぐリビングとして利用できる共有部分です。
上写真の右手奥がキッチンになっており、「ホテルレジデンス」居住者・滞在者は自由にここで料理をつくることができます。
ランドリースペースには大型の洗濯機やアイロン台も。
「ホテルレジデンス」の部屋は全61室、必要最低限の設備を備えたシンプルな部屋「ROOM A(スタンダードセミダブル)」と、ソファや作業スペースを備えた「ROOM B(スーペリアダブル)」の2タイプがあります。
部屋をホテルの客室として貸し出す場合は、個人的な荷物を収納できるスペースがベッドの下によういされていました。これは便利ですね。
ホテルとして貸し出す場合のリネン類交換やお掃除などはホテルスタッフがやってくれるので、気軽に多拠点生活が楽しめるというわけです。
そして5階にあるのがプライベートサウナ「サウナ大橋会館」。
三軒茶屋のCDレコードショップを手がける「Kankyo Records」がサウナ内のロウリュウ(香り)とBGM(音)を担当しています。
池尻大橋のローカルクリエイターたちによるコラボレーションを体験できる、贅沢な空間です。
■4階ラウンジエリア:池尻大橋に拠点を置く「&Supply」が担当
■4階「ホテルレジデンス大橋会館 by Re-rent Residence」「サウナ大橋会館」運営:株式会社Unito&東急株式会社
さまざまな交流が生まれ、街とともに深化を遂げていく池尻大橋「大橋会館」
館内の随所には3名のアーティストによる作品展示がさりげなくされており、日常の延長上で多彩なアートに触れることもできます。
展示する作品は定期的に入れ替わるとのこと。
また、各ジャンルで活躍する4名のクリエイターが定期間「ホテルレジデンス」に滞在し、自ら部屋をデザインしたクリエイタールームを「Airbnb Japan」とのコラボレーションで宿泊施設として提供します。
池尻大橋という街と共に約50年の歴史を刻んできた建物が、現代的な発想と感性を持つクリエイターたちのアイデアで新しい息吹が吹き込まれた唯一無二の空間に仕上がっている「大橋会館」。
期間限定ではありますが、街と融合し、化学反応を起こしながらどんな深化を遂げるのかとても楽しみです。皆さんもぜひ、気軽に訪れてみてはいかがでしょうか。
■取材協力
東急株式会社 社長室 広報グループ 報道担当
↓「大橋会館」の場所はこちらになります。