製菓・調理・カフェと、「食」の分野に特化した人材を育成する専門スクール「レコールバンタン」代官山校舎内に、2022年1月22日オープンした「GENKAI BURGER（ゲンカイバーガー）」。

【目黒区】未来のシェフが腕を振るうハンバーガー店「GENKAI BURGER」が、中目黒・レコールバンタン校舎内に1月22日（土）オープン！

当初は2022年3月27日（日）までの期間限定営業の予定でしたが、毎回100名以上が並ぶという大盛況ぶりで、期間を延長して販売してきました。

飲食店ではなかなか回収が難しい、食後のフィードバックシート（味やサービスなどの感想を記入してもらう用紙）を全員の方に記入していただけたとのこと。改善や技術向上に役立てることが出来、参加した学生たちも大いに成長する機会を得られたといいます。

そこで、2022年7月9日（土）から「GENKAI BURGER」のメニューをリニューアル。ハンバーガーを楽しむためのコース料理「宮崎マンゴー”GENKAI”サルサバーガーコース」として再オープンすることになりました。

メディア向けに行われた試食会に参加してきましたので、どんな“GENKAI”が楽しめるのかをレポートしたいと思います。

夏の暑い時期でも食欲をマシマシにする「宮崎マンゴー”GENKAI”サルサバーガーコース」

（画像提供：株式会社バンタン）

今回のメニューも、授業の一環として学生たちが中心となり、開発から調理、提供、SNS発信と店舗運営を行います。監修は引き続き「sio」の鳥羽シェフ。

食材価格が高騰する今こそ、「高級食材に触れ、食を楽しんでほしい」という学生たちの思いを汲み、引き続き高級食材を原価の限界価格で提供するそうです。

前回との違いは“コース料理”としてメニューを組み立てていること。スープ、サラダ、ハンバーガー、デザートの4品で構成し、レストランでの提供と同様に、学生たちが直々にメニューをプレゼンテーション形式で紹介してくれます。

それでは1品目から順番にご紹介していきましょう！

爽やかなミントオイルの香りで食欲増進「冷製コーンスープ」

国産とうもろこしを使用。スープの表面に浮かんでいるのはミントオイルです。

とうもろこしの甘味となめらかな口当たり。ミントオイルの使い方が秀逸です。ひんやりとした清涼感がありつつも、とうもろこしの味わいを邪魔しません。

この1杯で食欲がぐっと増すような気がしました。

多彩な食感・香り・味わいがおもしろい「スパイス香るチョップドサラダ」

サラダをサービスしてくれた後、テーブルで仕上げのチーズをトッピングしてくれました。

そんなライブ感も食事を楽しくする要素の一つ。削りたてチーズの香りがより食欲をかきたてます。

10種類以上の食材が絶妙なバランスで合わさっているというサラダ。シャキシャキ、ジューシー、パリパリ、ザクザクなど色々な音が口の中ではじけるのもおもしろかったです。

食材の味わいを邪魔しないシンプルで控えめな味付けながら、スパイスがしっかりと下支えして、旨味がよく引き出されていました。

ハンバーグというよりもステーキの食感「果汁×肉汁 宮崎マンゴー“GENKAI”サルサバーガー ケイジャンポテト添え

神戸牛の旨味を軸に5味+1で構成した贅沢なハンバーガー。薄くスライス宮崎マンゴーと合わせたフルーティでさわやかな味付けです。

お肉はミンチせずに、ゴロゴロとしたカットでステーキを食べているのかと思うぐらい。これは感動します。

サルサソースはトマトの旨味をよく引き出しており、大き目にカットした野菜のしゃきしゃき感とバランスが良かったです。

合間でピリッとスパイシーなポテトを食べながら最後まで食欲が落ちずに、ペロリといただきました。

フレッシュハーブの使い方に感動「八朔とアールグレイのグラニテ」

八朔の酸味とアールグレイの香りがマッチしたグラニテ（シャーベット）。ディルは、お魚料理によく使われるセリ科のハーブですが、柑橘系のようなトーンもあります。

アールグレイ紅茶も柑橘系のベルガモットで香り付けしたもの。

甘さ、さわやかさ、ほろ苦さなどがうまくマッチしており、コースの最後を鮮やかに締めくくってくれました。

「レコールバンタン」が「GENKAI BURGER」にチャレンジする理由

レコールバンタン ブランドマネージャー・細井信宏さん

今回、レコールバンタンで「GENKAI BURGER」をスタートした理由や、リニューアルの主旨について、レコールバンタン ブランドマネージャー・細井信宏さんより、お話がありました。

「株式会社バンタンのビジョンは、プロの現場による実践スクール事業を行い、“世界で一番、社会に近いスクールを創る”こと。

現役で活躍しているシェフ、自分でお店を立ち上げて成功している方などを講師としてお招きし、実体験に基づいたケーススタディを通し、学ぶことを大切にしています。

レコールバンタンは“おいしいだけが、ゴールじゃない”をコンセプトに、技術だけではなく、将来お店を持ちたいと考えている学生たちのために、在学中から独立開業にチャレンジする機会を設けてきました。

“GENKAI BURGER”は、授業の一環として、学生たち自身が自分がお店のオーナーになった場合に必要な経営のノウハウ、接客マナー、集客のための広告宣伝などをすべて実践的に体験できる機会として企画しました」と細井さん。

前回の「GENKAI BURGER」での体験を踏まえ、店舗経営に欠かせない新商品開発や固定客の確保などを想定し、ハンバーガーを楽しむためのコース料理を開発したそうです。

レストランでコース料理を提供する際、メニューをプレゼンテーションすることも想定し、英語でも説明できるよう体制を整えているとのこと。今後、海外からのお客様が増えることを見越し、対応力を高めていらっしゃいました。

「GENKAI BURGER」を通じて、私たちも学べる飲食業界の大変さ

「GENKAI BURGER」では、メニューひとつひとつの原価を公開しています。今回のコースでは2,500円での提供（原価は2,106円）です。

しかし、そこには人件費や固定費（家賃や光熱費など）、集客のための広告宣伝費、お店を続けていくための利益は全く含まれていません。もし、これらの経費を含めて価格設定するとしたら、7,020円での販売価格にしないと経営は成り立たない計算になると細井さん。

「GENKAI BURGER」の場合、調理・サービスするのは学生たちであり、場所はスクール内。人件費や光熱費、家賃、利益をカットすることでこの値段での提供ができるということを私たちも理解しなければなりません。

学生たちが学ぶ場でもあり、私たちが飲食業の厳しさを実感できる、そんな画期的な試みとなっています。

飲食業で生き残る力も身に付けられる「レコールバンタン」の教育方針

写真向かって右が鳥羽周作シェフ（画像提供：株式会社バンタン）

「GENKAI BURGER」の監修を務めた鳥羽周作さんも登壇。鳥羽さんが提唱するsioイズムである「5味+1」と「感動の設計図」を上手に落とし込んだコース料理を、学生たちがよく実現できているとほめていらっしゃいました。

「5味+1」とは「甘味・塩味・酸味・苦味・旨味」の5味に加え、「辛味・食感・香り」であるプラス1が合わさり、それぞれの味の強さが料理をカタチ作り、個性となりつつも全体はまとまっていること。そしてこれまでに食べたことのない味（＝sioらしさの一つ）を作り出していることをいいます。

そして「感動の設計図」とは、1品目から最後のデザートまでお客様にどのように感じ、味わってもらえるかを考えたもの。暑い夏の食欲を科学して生み出した独自の設計図で、以下のような流れになっています。

1. 1皿目：「目覚めの一皿」眠った食欲を呼び覚ますもの
2. 2皿目：「高める一皿」食感と味のコントラストが楽しいサラダを通して食欲を加速
3. 3皿目：「味わう一皿」ジューシー×スパイシーなメインディッシュで感動を最高潮に
4. 4皿目：「余韻の一皿」どこまでも爽やかでもたれずに満足感だけを残す

（画像提供：株式会社バンタン）

今回の「GENKAI BURGER」コースメニューに参加した学生たちも登壇し、みんなと一緒に一つのことをやり遂げる充実感や体験を通じて大きく成長できたことを語っていました。

飲食関係のスクールを卒業し、自分のお店を開業後、3年後まで生き残れる店舗は3割程度といわれているそうです。しかし、レコールバンタンを卒業した学生たちは7～8割が継続しているとのこと。

おいしいお料理を提供するだけでは続けることはできない厳しい飲食業界の中で、自分たちの夢を実現し、羽ばたいていく学生たちを応援する画期的な企画「GENKAI BURGER」。

食べる側も学生たちの成長に一役買うことができるユニークな試みだと感じました。

今回も販売初日7月9日（土）限定で無料提供します！

（画像提供：株式会社バンタン）

前回の「GENKAI BURGER」初日でも行った無料提供。今回もやります！

普通にお店で提供したら7,020円はするものを2,500円（税込）で提供するだけでも太っ腹なのに、初日は無料提供とは大胆なキャンペーンです。

ただし、コース料理として提供ということでいくつか注意点があります。

1. 1時間10席の入れ替え制
2. 指定時間に来店し、定刻通りに一斉スタート（10分以上の遅刻は提供不可）
3. オーダー後に調理スタートのため、提供まで15分程度かかる
4. 準備している食材がなくなり次第終了

普段なかなか食べることができない高級食材に触れるチャンスです。私たちは彼らの作り出す一皿一皿を味わいつつ、サービスを含めてその感想をありのままにしっかりとフィードバック。

（画像提供：株式会社バンタン）

将来の夢を実現する第一歩を応援したいと思います。

コース料理とは別料金となりますが、手作りのソフトドリンクやクラフトビールも提供。試食会の際はクラフトジンジャーエールを提供いただきましたが、とてもおいしかったです。

ぜひおいしいハンバーガーと一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。

■取材協力
株式会社バンタン

↓「レコールバンタン東京校 レーヴ校舎」の場所はこちらになります

前の記事へ

記事一覧へ

次の記事へ